名前だけ聞くと、近頃の自分のためにいるような馬なのだが、どっこい。
本日のスプリンターズSで、同期のカノヤザクラがレース前に燃え尽きて失速していくのを横目に、目の覚めるような鮮やかな勝利を見せたスリープレスナイト。
鞍上の上村洋行騎手が目の病(4度の手術)を乗り越えて念願のG1を初制覇した、という美しいエピソードとともに、満場の喝采を浴びていた。
上村騎手は大体自分と同じくらいの世代で、自分が本格的に競馬場に通うようになった頃は、まさに西の方で飛ぶ鳥を落とす勢い、といったジョッキーだったのだが、当時は個人的には嫌いな部類に入っていたわけで。
人気に乗じて素質馬の手綱を任されてはいるものの、肝心のレースではクエスチョンの付く騎乗で星を落とす、っていう風評は、当時よく言われていたし、現に2番人気でダービーに臨んだナムラコクオーにしても、後に悲劇の快速逃げ馬の名をほしいままにしたサイレンススズカにしても、上村騎手が主戦で臨んだ4歳(現・3歳)クラシック戦では、“どんより”な成績に終わっていたわけで*1、乗ると馬券を買いたくなくなるジョッキーの一人に数え上げられても、決しておかしくはなかったはずだ。
だが・・・
あれから10年以上経って、当時の面影を残しつつも、それなりの年輪を刻んだジョッキーの姿を見ると、何となく応援したくなるから不思議だ。
自分も歳をとった、ということか*2、それともテレビが語る“美談”に惑わされたのか。
いずれにせよ、主役が馬だけじゃないから競馬は面白い。
それを改めて思い知らされた秋のG1開幕戦であった。
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