来年のWBCに向けた日本代表監督に、原辰徳・読売ジャイアンツ監督が就任することになったそうだ。
“アンチ星野仙一”ムードが思わぬ追い風になったとはいえ、これまでの自球団での実績(特に今年の大逆転劇)を評価されての選出だから、ご本人にとっても申し分のない話だろう。
思えば、就任1年目にリーグ優勝、日本一という輝かしい実績を挙げたにもかかわらず、翌年、星野仙一監督率いるタイガースに敗れたことで、フロントの現場介入を招き、屈辱の辞任を余儀なくされたのが5年前の原監督だっただけに、浅からぬ因縁のある相手を押しやる形での今回の就任劇には、いろいろと思うところもあるのではないだろうか。
原監督が、「読売グループの人事異動」というオーナーの一言で、現場を離れた“お飾りポスト”*1に追いやられた時には、
「潔く辞めて他球団で見返してやれ」
なんて声もあちこちで飛び交っていたが、もし原監督があの時、辞表を叩きつけていたら、今年の歴史的大逆転を呼び込んだ“名将”として歴史に名を刻むこともなかっただろうし、ましてや「全日本代表監督」というポストがめぐって来ることもなかったのではなかろうか*2。
人生の中での“選択”を考える上では、極めて興味深いエピソードだなぁ、と思う次第である。