ゴールした瞬間は、明らかに青と白の勝負服の馬が新しい伝説を作ったものと信じて疑わなかった。
その後の実況席のコメントも、引き揚げてきた馬の待機ポジションも、1着・ダイワスカーレット、2着・ウォッカという明確な決着を示していたはずなのだが・・・。
結果だけ見たら、これまで数々のビッグタイトルを制してきたウォッカが、1番人気に応えて順当に4冠目を勝ち取った、ということになるのだろうが、レースを目撃したものの感想としてはちょっと違う。
シンボリクリスエスのコースレコードを1秒近く塗り替える驚異のペースを先導した上に、直線の猛追を受けてもさらに二の脚を使って後続を完封。
レースを目撃した者は、連対率100%牝馬が4つ目のタイトルを念願の牡馬混合G1で獲得・・・という素晴らしいストーリーを描いたはずだ。
“長すぎる”写真判定の末の逆転裁定。
最後の最後、2センチ差でタイトルをかっさらっていくあたり、ダービー、安田記念という牡馬混合G1をこれまで2つ制してきたウォッカの地力の方が上だった、ということができるのかもしれないし、武豊騎手にも依然として勝ち運が残っていた、ということができるのかもしれないが、このダイワスカーレットの激走は、“ただの2着”と片付けてしまうには余りに惜しい。
連対率100%のまま現役を終えようと思うなら有馬直行という選択肢もありうるのだろうが、ファンの勝手な願いとしては、ここはジャパンCでの最強馬対決を再度見たいものだ、と思っている。