第59回紅白歌合戦の出場歌手が発表されている。そのうち初出場は14組。
「ジェロ」や「青山テルマ」はまぁ順当だろう。
「羞恥心」や「藤岡藤巻」あたりは、民放他局の路線に乗っかった感がなくもないが、現時点では、番組や映画の宣伝の枠を超えた“国民的ムーブメント(一過性だが(笑))”になっていることを考えれば、これもまた納得はできる。
だが・・・
何で今さらMr.Childrenなのか。
出したい側の事情は分かる。
視聴率低迷に苦しむNHKにとって、未だに根強い人気を誇るミスチルを、大晦日にテレビ画面に登場させることの意味は決して小さいものではない。
NHKの北京五輪中継の中で終始流し続けた「GIFT」をバックに、いまや懐かしい五輪の映像を流し続け、たぶん会場にいるゲストの北島康介あたりの表情をチラッと映像に挟めば、その数分間の数字は確実に跳ね上がるだろう。
だけど、出る側の事情は正直いって分からない。
時代を超えたカリスマアーティストが、“大衆演芸”の舞台に下りてくることで失われるものは確実にある。
それゆえ、心のどっかで大晦日に見たい、と思いつつも、その場にいないことに納得していたファンも多いはず。
それが、五輪中継のテーマソング作ったから、という理由だけで出場を決めたのであれば、ちょっと首を傾げたくなる。
きっと、同じ出場歌手の中でも“その他の常連さん”とは違う演出が用意されているのだろうし、ファンとしては、そこで桜井和寿流のメッセージを発信する何らかのチャンスが与えられることに期待するほかないのだろうが・・・・
自分は、台本どおりのナレーションと、くだらない“応援合戦”の間で“ミスチル”が紹介されるシーンなど決して見たくはないし、そうなる可能性がある限り、大晦日にチャンネルを合わせることはないだろうと思っている。
なお、個人的に、今年の初出場組の中での一押しは「いきものがかり」。
本来、このクラスのアーティストにこそ、“紅白”の舞台はふさわしい、と自分は思っているのであるが・・・。