幸福の手紙か不幸の手紙か。

ここにきてテレビCMもガンガン流れるようになってきた「裁判員制度」。


28日の朝刊にはこんなニュースも掲載されている。

「来年5月にスタートする裁判員制度に向け、最高裁は28日、全国の約29万5000人に来年の裁判員候補者名簿に載せたことを知らせる通知を一斉に発送する。」
「今回通知が届くのは、全国平均で有権者の352人に1人。大阪地裁管内が211人に1人と最も確率が高く、秋田地裁管内が786人に1人と最も低い。」
日本経済新聞2008年11月28日付朝刊・第42面)

巷では既に戦々恐々、喧々諤々な状況になっているようであるが、冷静に考えるとこの制度がスタートするのは来年の「5月」。


ということは、辞退理由に頭を悩ませるまでもなく一年の三分の一は裁判員のお務めを免れることができるわけだし、どこの地裁も少々多めに候補者数をカウントしているようだから、実際に“当たる”確率も少なくなるわけで、「裁判員なんて勘弁してくれ」と思っている方々にとっても決して悪い話ではないだろう。


もちろん、候補者名簿に掲載されただけでは翌年以降の辞退理由にはならないので、“引きのいい人”だと、来年呼び出しを受けずに切り抜けても1年後に再び通知が来て、また1年間頭を悩ませることになる可能性はあるのだが・・・。



ちなみに、何事も“ハツモノ”には役得があるわけで、「裁判所も検事も弁護士も、そして当の選ばれた裁判員自身もイマイチ要領がつかめておらず、おそるおそる運用されていく制度導入初期(当然、選ばれた裁判員に対する扱いも懇切丁寧なものになることが期待できる)」に裁判員を経験しておいた方が、「制度に慣れた当事者が淡々と手続きを進め、裁判員を何度も経験した“セミプロ”が知った顔で評議を仕切る制度円熟期」にやるよりも、選ばれた当人にかかる精神的負荷が少ないんじゃないか*1、というのが個人的な感想なのだが、こればっかりは始まってみないと分からない。


筆者自身が、半年後に選任される立場にあるかどうかも含めて、先のことは誰にも分からないのである・・・*2

*1:しかも一度選任されれば5年間は堂々と辞退できる。

*2:なお、筆者のところにはこれを書いている時点で通知は届いていないし、仮に届いたとしてもこの場に記すことは差し控えたい。

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