異常事態の中の悲劇。

大不況の波がとうとうここまで来てしまったか、と。

日産自動車硬式野球部などの企業スポーツ活動を休止すると発表した。卓球部と陸上部は3月末、硬式野球部は今年12月末をもってそれぞれ休部する。」
日本経済新聞2009年2月10日付朝刊・第11面)

日産の野球部と言えば、かつて同社がどん底からの再建を図っていた時に「都市対抗野球の応援を見て感銘を受けたカルロス・ゴーンCOO(当時)が翻意したことにより」廃部(休部?)を免れた、という伝説で有名だったのだが、今回の大不況の波は、そんな美談さえも吹き飛ばしてしまうくらい、深刻なものだったということなのだろう。


ちなみに、野球部の場合、実際にかかるコストも億単位だったりするから、止むに止まれず活動休止、というのも分からないではないのだが、それに比べればさしてコストがかかるとも思えない陸上部や卓球部まで休部にされてしまうのは、ちょっと気の毒なような気もして・・・。


この日の日産株は、上記施策を含む“大リストラ”を好感してか、19円高と反発して引けている。


だが、投資家の評価だけが会社の施策の正しい評価、というわけではない。


景気が悪くなったからといって、それまで会社のイメージアップに貢献していた運動部をあっさりと切ってしまうような会社は、仮に今後景気が戻って、再び“余技”に手を出す余力が出てくるようになったとしても、容易に信頼を回復することはできないだろう、と自分は思う。

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