「株主」の背信行為

最近、日本郵政にケチを付けるのが日課になってしまった鳩山邦夫総務大臣


かんぽの宿」問題で譲渡契約を白紙に戻した余勢を買って、今度は旧東京中央郵便局の建て替え計画にまで横やりを入れていたのであるが、東京都が「建て替えを認める都市計画」を決定したこともあって、どうも今回は旗色が悪い。

「東京駅を中心に複合的ないい都市計画があるなかで、あの建物だけ残すのはかなり無理な問題」(日本経済新聞2009年3月7日付朝刊・第5面)

とは、石原慎太郎知事もたまにはいいことを言う。


都落ちして久しい総務大臣のことだから、最近の東京の事情に疎くなっていたとしても仕方ないのかもしれないが、“単に古い建物だから”という理由で、東京丸の内一等地の空間を無駄遣いするよう強要するなんてセンスがなさ過ぎる! というのが、多くの常識人の本音だろうと思う。



かんぽの宿」に関して言えば、“本来高く売れるはずのものを二束三文で売り渡した!”といういちゃもんも成り立つ余地があったから、「絶対的株主」の立場から横やりを入れることも一応可能ではあった。


だが、今回の件に関して言えば、建て替えを見送ることによって、工事契約の違約金、という直接的な損失が発生する上に、事業会社の将来にも大きなダメージを与えることになる。


「株主」としての自らの立場を強調するのであれば、会社が永続的に利益を上げるために何をすべきか、を考えなければならないはずであって、“なんとなくもったいない”的なイメージだけで、進行中のプロジェクトを暢気に論じているヒマなどないはずなのだが・・・。



麻生首相の資質が取り沙汰されている昨今。


筆者自身は、首相本人の資質が歴代首相のそれと比べてそんなに劣っているとは思っていないのであるが、こういう御仁を政府の要職で厚遇し続けてしまう・・・という「人を見る目」のなさは、やっぱり問題あり、といわざるを得ないのかもしれない。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html