走る阿呆に見る阿呆・・・?

例年は起きた頃にゴールだったのだが、今年は何を血迷ったか、スタートからずっと東京マラソンを見てしまった。


いろいろ突っ込みどころはあったが、何と言ってもこの日のMVPは、スタート直後に先頭集団につけて、ゴール手前で女子の先頭ランナーと図ったように並走した“ヅラ”ことゼッケン130番、高田伸昭選手(枚方マスターズ)だろう(笑)。


向かい風の中、空気抵抗を度外視したような長いヅラをかぶり、サングラスをかけて疾走するその姿は、関西の芸風を見事に反映した、実に印象的なものであった。


大体この手のランナーは、ちょっとくらいテレビに映っても“空気”のような存在として無視されがちなのだが、この選手の場合、元々の持ちタイムが昨年の福岡国際の2時間19分31秒で、その辺の実業団の選手と比べてもそん色ない実力を持っている*1


そして、以下のラップタイム*2を見れば分かるように、5キロすぎで画面から消えた後は、図ったように5キロ17分のラップを刻み、後続の女子選手が追い付くタイミングを見計らって(?)40キロ付近で並走。


<高田伸昭選手のラップタイム>

5km 00:15:01
10km 00:32:11 0:17:10
15km 00:49:16 0:17:05
20km 01:06:07 0:16:51
25km 01:23:12 0:17:05
30km 01:40:26 0:17:14
35km 01:58:14 0:17:48
40km 02:17:14 0:19:00
Finish 02:25:38 0:08:24

追いつかれた後も、余裕をもって走っていたように見えた(少なくともズルズルと離されてはいない)ところを見ると、計算づくの走りだったように思えて仕方がない。


最初に落ちた時に、実況席やテレビ桟敷のまじめな観戦者が「やっぱり」と胸をなでおろし、ふまじめな観戦者が「残念・・・」と思っていたところに、そんな予定調和的展開を裏切るかのような最後のひと花。


狙ってもなかなかできることではないだけに、筆者としては感動の拍手を惜しみなく送りたいと思う(笑)。



なお、3年連続抽選に外れ続けている筆者ではあるが、一応、元アスリートの端くれ(嘘)としては、来年こそ、有意義にこの一日を過ごしたいものだ、と願うのみである。

*1:少なくとも素人がちょっとやそっと頑張っても届く域ではない・・・。

*2:東京マラソン2009ランナー位置情報検索システムより。

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