名簿の値段

三菱UFJ証券のシステム部長代理が、

「社内システムから不正に約148万人の個人顧客情報を引き出し、うち5万人弱分を名簿業者3社に売却していた」
日本経済新聞2009年4月9日付朝刊・第1面)

というニュース。


全顧客分の個人情報をごっそり持ち出す大胆不敵さには驚かされるが、それ以上に驚かされたのは名簿の“値段”である。

「2月4日に情報をCDに書き込んで自宅に持ち帰り、5万人弱の情報を名簿業者3社に32万8000円で売却した。」
(同第34面)

当の元部長代理は、消費者金融の借金返済に迫られていたようだから、業者側に足元を見られた可能性はあるし*1、公表された数字よりももっと大きなお金が動いていた可能性もあるが、仮にこの数字が本当だったとしたら、1人当たり6円・・・と何ともお買い得な数字である。


このご時世だけに、“販売”対象となった個人情報の持主たちが、揃って当の元部長代理や会社を訴えたとしたら、一定額の損害賠償が認められても不思議ではないところ。


そして、一人当たりにすれば“名目的”な些少な額にとどまるとしても、それが5万人分ともなれば、それなりの金額に膨れ上がる可能性は十分にある。


だが、蓋を開けてみれば、名簿の実質的価値はたったの32万円、という現実をどう考えるか。



もちろん、まともな会社であれば、顧客の情報をむやみに外部に流出されることなどあってはならないのであって、当の元部長代理の行動が正当化される余地はないと思っているが、その一方で、今回の1件が、個人情報に必要以上の価値を与えようとする風潮に何らかのインパクトを与えてはくれないものか・・・という期待もかすかに抱いていたりする。


現に出ている“被害”が、記事で伝えられているような、

「マンション業者から勧誘電話が頻繁にかかる」

といった程度にとどまっているのであればなおさら、ということになるのではないかと思うのであるが・・・

*1:この辺は、再転売の値段がどれくらいだったかまで追っていかないと分からない。

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