結局、どっちつかず。

一週間ほど前に紹介した「社外取締役設置義務付け」問題だが*1、結局、経産省は義務付けを見送る方針を固めたようである。


もっとも、

「設置は任意のままとするが、設置しない場合は独自の経営監視制度を導入するよう求める。」
「同省案は、社外取締役の導入を強制するのではなく、導入しない企業には独自の統治向上策を提示することを義務付け、開示を求める。独自策としては、例えば「一定の社内業務を経験した外部出身取締役の起用」や「経営諮問委員会の設置」などが想定される」
日本経済新聞2009年5月26日付夕刊・第1面)

ということだから、

“身内”だけで固めたボードで動かされている会社よりも、ボードに“外”の人間が入っている会社の方が、企業統治の面で優れている

という考え方自体は維持されているようだし、そのような考え方に対する“未練”も未だ残っていることが見え見えなのではあるが・・・



個人的には、「委員会設置会社」に対する評価ですらいまだ定まっていない現時点において、制度をいじることにはやはり無理があると思っている。


そして、すべての上場会社に同じような方策を強制するのではなく、コーポレート・ガバナンスに関する何らかの問題を起こした会社に対して、上場維持ないし上場廃止後の再上場を認める条件として、上記のような方策を取ることを求める方が効果的なのではないか、と思っているのであるが、こんなことを言っていると、“ぬるい!”と一蹴されてしまうだろうか・・・?


あらためて、今後の議論の行方に注目したい。

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