馬の恩返し。

人智を超えた馬、ウォッカが、安田記念で6つ目のG1タイトルを奪取した。


ラスト1ハロンの切れ味は、何度見ても「壮絶」以外に形容しようがない。


上がり3ハロン(600m)のタイムは上位入線馬の中で最も劣る平凡な数字だったにもかかわらず、実際には最後の200メートルで並みいる強豪牡馬をまとめて交わし切ってしまったのだから、あの一瞬の切れ味は想像の域を超えていたと言わざるを得ないだろう。


で、問題は、上に乗っかっていた「人」の方だ。


今回は結果オーライだし、本人も潔く、

「ただ直線は…下手でしたね。なかなかスペースもなくて、妙に安全策をとろうとしたのが裏目。馬には厳しいレースをさせてしまった。ストライドを伸ばしたのは最後の1Fを切ってからだった。それでも勝つのだから強い。きょうは馬をほめてほしい。いい騎乗ではなかったが馬に助けてもらった。」

http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=horse&a=20090607-00000010-kiba-horse

とコメントしているので、素人がグダグダと論評しても仕方ないのだが・・・




これまで、馬の能力を極限まで引き出して、多くの馬に名声と幸福な余生をもたらしてきた名手だけに、騎手人生の晩年に差し掛かって馬に恩返しされている・・・と考えればトントンなのかもしれない。


だが、ことウォッカとの関係では、“馬に助けられ過ぎ”なんじゃないのかなぁ・・・と思えてならない。


いつもは実績のあるジョッキーに甘い某8チャンの実況解説ですら、今日の騎乗に対しては厳しめモードのコメントが目立った。


これだけの歴史的名牝の手綱を任されている以上、一度くらいは「騎手もよかった」と言えるようなレースを見せてほしいと思う今日この頃である。

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