不規則なW杯予選中断期間を挟んで、ようやくシーズンの折り返し地点に到達したJリーグ。
優勝争いと残留争いが完全に分断されてしまうのもこの時期にありがちなことだし、他の大陸のストーブリーグに翻弄されて、選手も(今年は監督まで・・・)どこかに行ってしまうのも毎度のこと。
今季就任したばかりのカイオ・ジュニオール神戸監督のカタール行きに続き、9日には、
「Jリーグ1部(J1)名古屋は9日、ブラジル人FWダビ(25)がカタールのウンムサラルに移籍すると発表した。契約期間途中だが、違約金の支払いなどの条件で両クラブが合意した。メディカルチェックを経て正式契約する。18日の京都戦まで出場が可能。ダビは「すごく悩んで難しい決断だった」と話した。」
(日本経済新聞2009年7月10日付朝刊・第33面)
などというニュースまで発表された。
確かに、実力のある選手なら、極東の島国でしがない球蹴りをするより、きらめくスター軍団に交じれる可能性がある欧州のリーグを目指すだろうし(今年でいえば磐田のイ・グノなんかはこのタイプ)、そこまでの力はなくても、(だいぶ原油価格急落のあおりを受けているとはいえ)今だオイルマネーで潤っている中東のリーグに行けば、収支均衡の至上命題でコスト抑制を余儀なくされている我が国のクラブよりはいい報酬がもらえるはずだから、そっちの方がいいだろう、というのも何となくわかる話だ。
リーグ発足当初の、リトバルスキーだとかリネカー、ラモン・ディアスといった大物外国人があふれていた時代を懐かしむ向きからすれば、今の惨状を嘆きたくなる思いもあるのかもしれないが、だからといって、選手の報酬を思いっきり引き上げたり、15年以上定着してきた春-秋シーズン制を逆転させたり、という手を打つのが賢いのかどうか。
長い目で見れば、「百年構想」のまだ4分の1にも届いていないのだから、焦らず騒がず、選手に逃げられたら(移籍金をうまく使って)また新しい選手を発掘する、くらいの大らかさで構えていた方がいいんじゃないかな、と“夏の風物詩”を眺めながら思っているところである。
なお、今年に関して言えば、残留争いしている相手の監督がトンズラしてしまうのは悪い話ではないし(苦笑)*1、ダビも札幌時代から“存在自体反則”といった感はあったから*2、これで名古屋戦の相性がますますよくなるんじゃないか・・・などと思ったり。
もちろん、これ以上負けが込んでくると、監督が急に“プレミアに帰る”なんて言い出す可能性もないわけではないんだが、その時はその時だろう、と。