ホームレス解散

1年近く引っ張ったあげく、ようやく任期満了直前で解散となった衆議院


政権交代を煽る大逆風の中で、選挙が終わればホームレスになる自民党議員が出ても不思議ではない状況なのに、どこかのお父さんと違って、“一家の主”が最後まで生臭さを漂わせたまま「解散」を叫ぶ羽目になってしまったのはご愛敬か。


何が楽しいのか知らないが、メディアはこぞって政権洗濯、もとい選択、選択、と叫んでいるし、今のムードからすれば、実際9月以降は新しい与党が新しい政権を担当することになるのだろう*1


もっとも、今回の解散が巷で言われているような「最悪の時機」のものだったか、という点については、自分は異なる感想を持っているところ。




仮に、麻生首相が就任直後の支持率の高い時期に衆議院解散に踏み切ったとしても、3分の2の多数を確保することは不可能だっただろう。


そして、だとすれば、過半数を確保するのがせいぜいの新しい議院構成に期待するよりも、捻じれた参議院の次の選挙が近づくギリギリのところまで有利な状況を引っ張る方が良いに決まっているわけで、のらりくらりとかわしながら重要法案を通して、気が付けば次の参議院選挙まであと1年もない今の今まで引っ張ることができたのは、自民党支持者から見ればむしろGood Job! というべきなのではないか、とさえ思ったりする。


新しい政権が誕生して半年もたてば、大した失点がなくてもメディアの風向きが変わってくる、というのは、これまで我々が何度も経験したことだし、今報道されている野党第一党の政策構想を見る限り、実行しようとした途端に暗礁に乗り上げるか、パニックに陥りそうな爆弾ネタも多数仕込まれているから、年が明けるころには、これまでのように世論を背に受けて、というわけにはいかなくなる。


良い政策が理解され、浸透して効果をもたらすまでにはそれなりの時間がかかるが、酷い政策が馬脚を現し、批判されるようになるまでに、大して時間はかからない。


結果として、来年の今頃は、今威勢のいい野党第一党代表の方が、今の首相と同じ立場に追い込まれていることも十分考えられるわけで・・・。



筆者の場合、どっちが勝とうが関係ないので、やることといえば、ご都合主義の評論家たちが、今回の選挙と1年後の選挙の時にテレビの前で何を言っているか、というbefore/afterを観察するくらいしかないのだが、もし、どうしても熱心な活動をしたい、という読者の方がいらっしゃるのであれば、くれぐれも貴重な夏休みを無駄にされないよう願うのみである。

*1:投票日の某局の24時間テレビに合わせて、麻生首相がチャリティーラソンでも走れば、2つ、3つくらいは議席を取り返せるかも知れないが、それでももう手遅れだろう・・・。

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