ここのところ連日、“日本初”の裁判員裁判に関連したニュースが世間を賑わせている。
事件の中身自体がよく分からないこともあって*1、結論がどうなるか、だとか審理がどのように進んでいくか、といった点については、筆者自身コメントしようがないし、それゆえ、そんなに強い関心をもって見ているわけでもない。
ただ、一つだけ気になっているのは、そうでなくてもニュース日照りになりがちな夏休みのど真ん中に*2、記念すべき“第1号”をぶつけてきた裁判所の意図である。
全国ネットのテレビの電波に乗せて、「裁判員制度」に関するニュースが伝えられた時間数を合計して、それを通常のテレビ広告費用に換算したとしたら、おそらく莫大な数字がはじき出されることだろう。
これまで、1年以上かけてちまちまと流していた広報CMや、細々とPRに使われてたVTR資料*3の効果を、はるかに上回るであろう効果が期待できる今回の一連の報道。
しかも、それに費やす超過費用は、テレビでCMを流すことに比べたら皆無に等しい*4。
実際のところは、法施行後から淡々と手続きを進めていったらこのタイミングになった、という単純な話なのかもしれないが、高校野球も本格的な選挙戦も始まる前のこのタイミングに、“テレビジャック”まで計算に入れた上であえて期日を入れた、そんな策士が、もしいたんだったとしたら、裁判所もまだまだ捨てたもんじゃない、なんて思ったりする(笑)。