最近めっきり影をひそめていた「新型インフルエンザ関連報道」だが、ここにきて、亡くなられた方のニュースだったり、あちこちでの集団感染のニュースだったり、と一気に(かつ突発的に)表舞台に出てきた感がある。
実際には、ウィルスが急に活動を始めたわけではなく、これまでじわじわと広がっていた実態が明るみに出た、というだけなのだろうが、ここのところ他の話題に埋もれて“インフルエンザ”の“イ”の字とも縁遠くなっていた状況だっただけに、どうしても違和感は否めない。
「外国に研修旅行に行ってたまたま感染しただけの高校生」が、あたかも危険分子or国賊の如く扱われた、春先の異常な加熱報道のことを考えるなら、ここにきてもメディアの報道がまだ落ち着きを保っているのは純粋に良いことだと考えるべきなのかもしれないが、インフルエンザウィルスの伝播状況とは全く相関しない“お祭り”→“沈黙”→“祭りの気配”という、ここ数カ月の極端な凸凹報道ぶりをみると、この国のメディアに果たして存在意義はあるのだろうか・・・?という気分にもなるわけで。
しばらくすれば選挙報道に埋もれてしまう話なのか、それとも今年いっぱい世の中に暗い影を落とし続けるニュースになるのか、その辺は今の状況ではなかなか予測できないのだが、仮にこの話題が、表面的にニュースの表舞台から消えてしまうようなことがあったとしても、猛威をふるうウィルスの広がりが簡単に収まることはないだろう・・・
くれぐれも、メディアに振り回されることなく、自衛に努めたいものである。