今さらなんだけど・・・

日経法務面の「傍聴席」欄を見ていたら、

日本経団連知的財産委員会著作権部会長」

の肩書で、スクウェア・エニックス和田洋一代表取締役社長のコメントが掲載されていた*1


例の部会ができてから、もう3年位になるかと思うが、ゲームメーカーの社長さんが経団連の部会長になっている、という事実が自分の記憶からはすっぽりと抜け落ちていたわけで・・・*2


道理で、コメントにあるような

「「著作物登録制度」の創設」

の声が、経団連サイドから良く挙がってくるわけだ(笑)*3


コラムの中では、

「自身が社長を務めるゲーム会社でも「外部からの持ち込み作品について、正当な権利者がすぐに分かれば購入契約がしやすくなる」と具体的な利便性を挙げる」(強調筆者)

と「経団連の主張する政策のニーズが自社のニーズにもマッチする」的なコメントになっているが、どちらかと言えば、「自社のニーズに合わせて経団連の主張する政策を組み立てた」と考える方が、適切なような気もするわけで・・・*4


筆者個人は、現行の著作権法の基本思想(権利自然発生型)に、創設型の権利管理に親和性のある「登録制度」をかみ合わせるのは極めて困難だと思っていて、現状の対抗要件としての登録制度の利用を活性化する、というレベルであればまだしも、新規に登録制度を創設して、それを著作権の権利発生要件にするようなことはほぼ不可能だろう、と思っている*5


それゆえ、産業界の“一部”から出ている「登録制度」導入論も冷ややかな目で見ているところであるが、政権が切り替わった昨今の情勢の下この手の議論がどのように展開していくのか、業界内外での政治的な動き(笑)にも注目しながら、眺めていきたいと思う。

*1:日本経済新聞2009年10月5日付朝刊・第14面

*2:元々経団連とは縁遠い会社で、ロビイングからも離れた仕事をやっていたから・・・。

*3:種々のコンテンツ(=著作物)の集合体をパッケージで販売しているゲームメーカーにとって、著作物登録制度は理想的なシステムである。もちろん、広告業界等、他にも利害が共通する業界はあると思うが・・・。

*4:“産業界を代表する団体”からのロビイングのプロセスで、自社のニーズに合わせた政策を要望に盛り込むのは決して珍しいことではないし、意欲のある会社が団体の代表として汗をかくべき、という観点からは、むしろ理想的と言うべきかもしれない。

*5:そもそも、コンテンツを生み出す潜在的可能性を秘めている会社の人間にしてみれば、「登録制」などという厄介なシステムを持ち込まれるのには抵抗がある。