案の定、家柄の良い首相の資産額が断トツで1番だったのだが、それ以上に驚かされたのは、閣内2位の“資産家”がなんとあの福島消費者担当相だったことだ。
その額、実に2億5000万円。
事実婚の夫の分も含む数字とはいえ、本人分もその約半分の1億2734万円で、藤井財務相に次ぐ3番目の数字になっている。
もちろん、制度趣旨に忠実に公開したがゆえに、他の閣僚と比べて相対的に大きな数字が表面化してしまった、という事情はあるのだろうし、「弱者の味方」の政党の党首だからといって、自分が資産を蓄えてはいけない、なんてルールはない。
だが、1億1480万円という定期預金額について、
「全額弁護士時代の報酬」
というのはどうだろうか。
福島担当相が弁護士登録したのは1987年。1998年には社民党から参議院比例区で出馬して当選し、政治の道に入っているから、弁護士として実質的に活動したのはわずか10年ちょっとの期間しかない。しかも、弁護士時代の福島氏といえば、バリバリの市民派・人権派としての活動がメインであったはずだ。
地道に努力して稼がれた報酬の大小にケチを付けるつもりなど毛頭ないが、「研修所は出たけれど・・・」という時代にこれから10年で1億円以上の資産を構築できる弁護士なんて、そうそういないであろうことを考えるなら(ましてや人権派としての活動をやりながら・・・ということになればなおさら)、
「かつて幸福な時代があったんだなぁ・・・」
という思いを抱く者は決して少なくないのではないか、と想像してみる。
もちろん、幸福な時代ではないからこそ、悪しき因習に縛られずにできることがたくさんあるのは事実なのだけれど。