残酷な分かれ道。

最近ではほとんど存在を忘れかけられている「旧」司法試験だが、今年もしっかりと口述試験まで無事行われている。


最終合格発表、合格者92名。
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/dainiji_result21/091112-1/01.pdf


対受験者合格率は、昨年の過去最低記録をさらに更新する「0.60%」。


様々な逆風に耐えて、努力を積み重ねてこられた方も多いだろうから、ここは惜しみない称賛を送らせていただくことにしたい*1


残念なことに、今回の試験では、例年、論文試験合格者とほぼ同数か、やや上回る数だった、口述試験合格者数が大幅に減少する結果となった。


論文試験合格者の「101名」という数字とだけ比べてもマイナス9。


さらに毎年10名程度はいると言われている前年の口述試験不合格者の存在を考慮すると、今回の口述試験では実に20名近い(以上?)数の受験生が涙を呑んだことになる。


約110分の20。軽く見積もっても約2割の不合格者をこの段階で出す必要があったのか、しかも、今回合格するかどうかで、司法修習を「お金をもらって」行くか、「お金を借りて」行くか、が変わってくる、という微妙な時期の試験で、そんな過酷な運命を背負わす必要があったのか・・・疑問の余地は残る。




ただ一度出た決定が覆る可能性はない以上、言えることはただ一つ。

「残りモノには福がある&稀少財には華がある。」

いずれなくなる道だからこそ、最後の最後には幸運が待ち構えている。


そう信じて、来年のご健闘を心よりお祈り申し上げたい。


なお、もちろん今年の最終合格者の方々も、(少なくともこれから1年間は)「史上最強、最難関」*2の試験をくぐり抜けた猛者であることは間違いないわけだから、近年業界を席巻しつつある「数」(多義的な意味で)の力に負けることなく、さらなるご活躍を遂げられることを、祈念する次第である。

*1:新試験の合格発表時には、大学院別のランキングまで載せて大騒ぎするメディアが、翌13日の朝刊ではほとんどと言っていいほど最終合格発表のニュースを伝えていなかったことに、正直失望させられたが・・・。

*2:今年の場合は、口述の厳しさも含めて、この称号がなおのことふさわしい。

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