中川了滋(弁護士出身)、今井功(裁判官出身)、甲斐中辰夫(検察官出身)の3最高裁判事が、今年12月から来年1月にかけて定年退官するのに伴い、後任の人事が決まったようである。
弁・裁・検の1枠を綺麗に同じ系統で埋める、というこの手の人事はこれまで毎年のように見慣れてきたものだし、今さら目くじらを立てる話でもないのだが、司法制度改革で従来の制度にあれこれと手が入れられている中、ここだけが変わらないというのはどうかなぁ・・・という思いは残る。
露骨な政治任用で、コートが過度に政治化するリスクを考えれば、まだまし、というべきなのかもしれないけれど・・・。
なお、今回の人事で、変革期の最高裁を支えてきた古参3裁判官が退官され、さらに来年4月には、藤田裁判官も退官される、ということで、完全に「時代が移った」感があり*1、その辺がこの先の判例形成動向にどのように影響してくるのか、注目されるところであろう。
以下、ご参考までに。
(参考・敬称略)
藤田宙靖 (研究者出身)H14.9.30 →H22.4.5
◆甲斐中辰夫(検察官出身)H14.10.7 →H22.1.1
◆今井功 (裁判官出身)H16.12.27 →H21.12.25
◆中川了滋 (弁護士出身)H17.1.19 →H21.12.22
堀籠幸男 (裁判官出身)H17.5.17 →H22.6.15
古田佑紀 (検察官出身)H17.8.2 →H24.4.7
那須弘平 (弁護士出身)H18.5.25 →H24.2.10
涌井紀夫 (裁判官出身)H18.10.16 →H24.2.10
田原睦夫 (弁護士出身)H18.11.1 →H25.4.22
近藤崇晴 (裁判官出身)H19.5.23 →H26.3.23
宮川光治 (弁護士出身)H20.9.3 →H24.2.27
櫻井龍子 (行政官出身)H20.9.11 →H29.1.15
竹内行夫 (行政官出身)H20.10.21 →H25.7.19
竹崎博允 (裁判官出身)H20.11.25 →H26.7.7
金築誠志 (裁判官出身)H21.1.26 →H27.3.31
(◆印は今回退官が予定されている最高裁判事)