今日は珍しく、日経紙の投資・財務面からのネタを一つ。
「会計事務所向け情報処理サービス大手、TKCは法律情報データベース関連の売り上げが2010年9月期に前期比1億円増の10億円強になりそうだ。主力の「TKCロー・ライブラリー」を弁護士事務所向けに拡販する。」
「交通事故損害賠償額算定シミュレーション(仮称)」もサービスを始める予定で、法律関連の営業利益は5億円程度になる見込みだ。」(日本経済新聞2009年1月5日付朝刊・第17面)
このTKCという会社は、ここ数年の間に法科大学院にかなり食い込んでいて、新司法試験対策の模試なんかも主催している、という会社だ。
そして、上記記事にもあるように、最近では、既存の法曹業界にも食い込みを図っているらしい。
元々、第一法規やら新日本法規やらの“加除式”書籍を枕に育ったドメスティック法務人としては「怪しからんことこの上ない」と言いたいところだが、当業界に一世代先んじてデジタル化されていた(しかも企業の財務部門等まで含めると、裾野は格段に広い)会計・税務業界で培われた営業力には一目置かざるを得ないわけで、古くから“加除式”や“CD-ROM”で引き継がれてきた伝統的サービスが、こういった新世代プレイヤー*1に淘汰される日もそう遠くはないように思える。
かくいう自分も、最近利用しているインターネット版の法律情報データベースは、従来業界を牛耳ってきた法律系出版社のそれではなく、海を越えて上陸した黒船=「Lexis Nexis」のそれだったりするわけで・・・(笑)*2。
増えた増えた、といわれつつ、まだまだ狭い法曹業界。
ペースが多少鈍るにしても、今後十数年は、拡大の一途をたどることが間違いない業界だけに、どの会社も頑張ればまだまだ売り上げを伸ばす余地はあると思うが、果たしてこの先の競争はどのような方向に収斂されていくのだろうか?
自分の本業とは直接関係ない話ではあるのだが、何となく興味がわくところである。