元秘書が次々と逮捕されたにもかかわらず、民主党大会で相変わらず「全面対決」とばかりに怪気炎を上げていた某党幹事長。
“自分ばかり狙いうちしやがって”という思いは理解できなくもないのだが、政治資金の流れが正確に記載されていない、という事実は現に存在するわけだし、それに対する関係者の供述も辻褄が合わない、となれば、被疑事実に関しては、明らかに“クロ”なんじゃないか、という推認が働くことは否めない。
また、通常なら必ずしも身柄拘束を必要としないような状況であるにもかかわらず、検察が被疑者の逮捕、勾留請求をする(しかも現職の民主党国会議員を国会開会直前というかなり恣意的なタイミングで)、というドラスティックな手続きを取ったり、略式命令→罰金で終わらせるようなレベルの話でわざわざ大げさに公判請求をしたり、ということであれば、それはそれで問題なのだが、そのことと被疑事実に関する黒白の判断はイコールではない。
したがって、手続きの不当性をいかに強調したところで、事務所が故意にルール違反を犯した、という事実を否定できるような明確かつ具体的な説明ができないのであれば、(法的にはともかく政治的には)説得力に乏しい主張だと言わざるを得ないだろう。
某党のトップ(というか一応は一国の首相)にしても、当の幹事長にしても、あまり“潔白、潔白”と連呼して、対決ムードを煽るのは、後々かえって墓穴を掘ることにつながるんじゃないかなぁ・・・というのが、夕方のニュースを見ながら抱いた率直な感想なのだが、そんな安易なコメントさえ止めさせることができないのが、今の政権最大与党の現実、というべきなのかもしれない。