朝青龍よ永遠に。

いつかはこんな日が来ると思っていたが、こんな形で訪れるとは夢にも思わなかった。

「大相撲の横綱朝青龍(29)=本名ドルゴルスレン・ダグワドルジ、モンゴル出身、高砂部屋=が4日、引退を決めた。1月の初場所中に都内で酔って暴行騒ぎを起こした責任を取り、日本相撲協会理事会に引退届を提出して受理された。歴代3位の優勝25回を達成しながら、これまで数々のトラブルを起こしており、ついに角界から退場を余儀なくされた。」(日本経済新聞2010年2月5日付朝刊・第33面)

強すぎた、それゆえに憎まれた横綱朝青龍の引退。


相撲界の重鎮たちや相撲通を気取る有識者たちの朝青龍に対する扱いが、ある意味、閉塞的・権威主義的な日本社会そのものを象徴しているような気がしたこともあって、これまで、当ブログでは何度か朝青龍のネタを取り上げていた*1


もう終わりか・・・と思われるたびに、「優勝」という結果を残し、自分の実力で何度も「引退危機」を乗り越えてきた彼が*2、内舘牧子も大島巡業部長もいなくなった今になって土俵を去らねばならない、というのは、何とも残念だが、揚げ足を取られないよう細心の注意を払わねばならない「異端児」が、刑法犯を犯す、という大チョンボをしてしまった時点で、既に「横綱」としての命運は尽きていた、と言わざるを得ないだろう*3


「異端児」を排除したからといって、相撲界にかつてのような予定調和が戻るとは到底思えないし、そう歳月が経たないうちに「異端児」が幕内の土俵を覆い尽くす*4時代がおそらく来ることだろう*5


なので、いずれこの日は、「朝青龍が相撲界を去った日」ではなく、「相撲界の地殻変動が始まった日」として、歴史に残ることになるのではないか、と自分は思っているのだが・・・



今はただ、次の春場所で、朝青龍の雄姿を見ることができない・・・ただそのことが寂しい。

*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20070804/1186196455、それにしてもあのサッカー事件からもう3年も経つとは・・・あらためて時の流れの速さを感じる。

*2:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20090125/1232988949http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20090927/1254557168。特に、某都市の街角で見届けた2009年初場所の復活優勝劇は、極めて感動的なものであった。

*3:これは、「傷害事件の被疑者となってしまった人間を一般論として解雇することが妥当かどうか」という話とはまた違う、理屈の利かない領域の真理だと思う。

*4:土俵上でガッツポーズするのが当たり前になる等々・・・。

*5:「異端児」をこんな形で片っ端から切り捨てていけば、相撲界そのものが一般の人々に忘れられ、見放されることになってしまうだろうから(歌舞伎的なマニアックな文化として生き残ることはあるとしても、場所中の取り組みの結果を一般紙のスポーツ面で取り上げてもらえたような時代は、過去のものになってしまうだろう)。

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