姫獨だけが悪いのか。

ここのところ良い話題が少ない法科大学院だが、新年度の始まりが迫ってきたこの時期になって、さらに衝撃的なニュースが飛び込んできた。

兵庫県姫路市の姫路独協大法科大学院が、1月に実施した2010年度入試で合格者がいなかったことが9日、分かった。受験者は3人。」
「同大学院は「来春以降、募集停止も含めて今後の方針を検討する」としている。」
日本経済新聞2010年2月9日付夕刊・第18面)

確かに、学部の教育実績や教員のラインナップに魅力的な要素があふれているわけではなく、大激戦だった初年度の入試(04年)の頃からG系と並んで揶揄されていた学校が、

「新司法試験の合格者数が4年間で計3人と全74校中最少」

ということになってしまえば、こういう結果になっても全く不思議ではないわけだが、それにしても「受験者3人」とは何ともエグい。


姫路獨協大法科大学院のHPには、「特色ある法科大学院を目ざして」というタイトルの下、特に「消費者法」にフォーカスした志の高い建学の理念が記されているのだが(http://www.himeji-du.ac.jp/contents/lawschool/zadankai/index.html)、こういう事態になってしまうと、それも何とも空しく響く。



新司法試験の合格実績が芳しくない、といっても、毎年30人しか募集していない大学院*1が、数百人のスケールで募集しているローと同等の合格者を叩き出すことなど、元々無理な話である。


姫路獨協ローの毎年の出願者数/受験者数/一次通過者数/最終合格者数を追ってみると、

H18  8名  8名  5名 0名
H19 26名 19名 12名 1名
H20 40名 24名 11名 0名
H21 46名 26名  8名 2名

という流れになっているのだが、年々激戦化する試験において、昨年になって「26分の2」という確率で合格者を出したことは、むしろ“健闘した”と評価すべき部類に入る出来事だろう。 


にもかかわらず、「大学院の受験者が3人」とは・・・。


他のローに比べて募集時期が遅めに設定されていることや、「姫路」という立地が中途半端であること等、特殊な要素はたぶんにあるとしても、新司法試験の合格率が1割前後で低迷しているローにとっては、これは決して他人事ではない事態と言わざるを得ない。


開校から6年でのこの惨事。無事「開校10年」を迎えられる法科大学院がこの世に果たしてどれほど存在するのか、関係者でなくともガクガクプルプル興味深々、である。

*1:2010年度入試から定員削減して20人にしたようである。

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