阪神タイガース・金本知憲選手の連続フルイニング出場記録が「1492」試合でストップした。
報じられているところによれば、金本選手は、試合前に自ら先発出場辞退の意思を首脳陣に伝えたとのこと。
これが事実だとすれば、これまで何年にもわたって積み上げてきた記録を、シーズン開幕早々止めることを決めた金本選手の「英断」は、高く評価されて然るべきだろう、と思う。
年齢を考えれば、もう一度やろうとしても絶対にできない記録。しかも、試合に出続けることでモチベーションを保っていた選手が、自らの意思で「出ない」ことを決める、というのは、凡人には想像もつかないくらい重い選択だっただろうから。
もちろん、本来であれば、金本選手本人の決断にゆだねる前に、チームとして本人に“引導”を渡す必要があったはず*1。
だが、それが簡単にできないところが、タイガースという“チームの顔に優しい”チームの良さでもあり、決して常勝軍団にはなることができない理由でもあるわけで、最後まで金本に出場を勧め、「5分前にメンバー表を書き直した」という真弓監督の未練たらたらのコメントにも、その辺の気風が如実に表れている*2。
だからこそ、金本選手の決断にも意味があったと思うのだ*3。
これで、
「送球をやめようとしたのかな。まあ無理しないように」(日本経済新聞2010年4月18日付朝刊・第29面より)
などという監督の間の抜けたコメント(前日の悪送球に関するコメント)を見聞きするようなことも、たぶんなくなる、と信じたいところ。
昔ほど、虎に対する思い入れがなくなっている今となっては、最重要の関心事、というわけではもはやなかったのだけど、それでも、どこを目指しているのか分からないようなコメントを見てしまうと、やっぱり脱力してしまうから・・・。
*1:昨年の中盤以降、負傷の影響もあってか、精彩を欠く金本選手がブレーキになるケースは増えてきていたし、今季に至っては開幕以来ずっと低迷する「4番」の存在が懸案材料として指摘されていた。
*2:http://baseball.yahoo.co.jp/npb/headlines/20100418-00000025-spnavi-base?d=0&team=&date=&pg=1&p=参照。
*3:もっともこのチームの場合、裏で何が動いているか、分からないところはあるし、恐らく地元のメディアの批判もかなりあったんだろうから、100%自発的な意思だったのかどうかまでは分からない。