日曜日の皐月賞。
最強のライバルと目されたローズキングダムが着外に沈む中、1番人気に応えて堂々と一冠目を獲得したのは、岩田康誠騎手と初コンビを組んだヴィクトワールピサであった*1。
弥生賞まで武豊騎手とコンビを組んでクラシックロードを邁進してきた馬だけに、新聞の見出しも「岩田、代打騎乗で大仕事」といったものがほとんど。
せっかくG1をとっても、このコンビは今回限りというのが大方の見方のようだ。
だが、馬場の最内を付いてスルスルと抜け出したコース取りの巧みさ、そして、後方で脚をため、絶妙のタイミングで仕掛けた最後の直線での華やかなアクションを見ると、このコンビが今回限り、というのは何とも惜しいような気がする。
たら、ればは禁物だが、もし従来の主戦騎手がこの日手綱を取っていたとして、今の荒れた中山の馬場で最善のレースが果たしてできただろうか。
それに、仮に武豊騎手の負傷が順調に癒えたとしても、ギリギリダービーに間に合うかどうか、というタイミングになる(5月中旬)のは避けられない以上、その状態で万全の騎乗ができるかどうか、というのも重要な考慮要素となるように思われる。
・・・そう考えると、合理主義者の角居調教師が“予定通り”手綱を戻すのかどうか*2。
まだまだ、波乱が起きる要素はあるように思えてならない。
かつて、絶対無比な“一流”の代名詞だった武豊騎手。
だが、土曜日の阪神・マイラーズC(G2)で、あれだけ“逃げては潰れ”を繰り返していたリーチザクラウンが、安藤勝己騎手の手綱で見事に復活Vを遂げたシーンを見てしまうと*3、彼以外にも(というか彼以上に)うまいジョッキーはいる、ということをあらためて感じさせられるわけで。
まだまだ第一線で活躍してほしい騎手ではあるが、復帰後の道程が、これまで以上に厳しいものになるのは、もはや避けられない・・・そんな気がする。