浮世のはかなさ

久しぶりにWINSに行ってモニターを眺めていたら、京都のメインレースにフサイチセブンが出走していた。


昨年ダート戦で未勝利から準OPまで一気の4連勝を遂げた素質馬であり、前走・船橋ダイオライト記念で初の重賞勝ちを遂げた、という“今が旬”の馬。


だが、その重賞勝ちの直後には、「動産」として差し押さえられてしまった、気の毒な馬でもある。
↓リンク先の記事参照。
http://www.daily.co.jp/horse/2010/03/14/0002781345.shtml


差し押さえられた直後に、すぐ新しい馬主(林進氏)も決まったようで*1、馬自身の人生には大きな影響が出なかったのが不幸中の幸いだが、前馬主の冠名である「フサイチ」だけは、いつまでも、どこに行っても残る。


活躍すればするほど、“あの人は今”的な、馬の資質とは関係ない世知辛いエピソードを想起されてしまう・・・というのは、ちょっと切ないのだけれど、それもまた彼(牡・4歳)の運命なんだろうか・・・。


ちなみに、現在中央に登録されている「フサイチ」の馬と、現在の馬主は↓のとおり。

フサイチアウステル 牡8 岡田牧雄氏
フサイチピージェイ 牡5 吉田千津
フサイチセブン   牡4 林進氏
フサイチアソート  セ5 岡田牧雄氏
フサイチギガダイヤ 牡7 関口房朗
フサイチオフトラ  牡6 高野哲氏
フサイチコウキ   牡5 吉田千津
フサイチダイチャン 牡5 岡田牧雄氏
フサイチナガラガワ 牡4 関口房朗
(追記)
ザサンデーフサイチ 牡6 林進氏(BigHopeClasic氏のご指摘により追記)*2

未だに元オーナーの名義で登録されている馬も2頭ほどいるものの、かつての“フサイチ軍団”の面影はもはや残されていない。


自分の場合、この軍団との馬券の相性は最悪に近いものがあって、伝説のダービーでフサイチシンイチから流して涙を呑んだのに始まり*3メジロドーベルから人気薄の3〜5着に全部流していたのに、飛び込んできたエアデールにすべてを狂わされた99年のエリザベス女王杯*4、逆にホウオーに賭けて酷い目にあった07年のダービー・・・と、いい思い出はほとんどない*5


オーナーにまつわる様々なエピソードがことごとく(自分の価値観に照らせば)趣味がいいとは思えないものだったこともあって、それゆえあえて外して痛い目に会ったことも、何度となくあったような気がする*6


でも、こういう状況になってしまって、似合わない勝負服を来たジョッキーたちを鞍上に載せている「フサイチ」の馬たちを見ていると、何となく寂しさを感じてしまうのだ*7


何かと世知辛い今の世の中。「フサイチ軍団総帥」のような豪快な馬主が競馬界から消えてしまうことでダメージを受けるのは、馬産界だけじゃないのかなぁ・・・*8と思ったりもしているところである。

*1:短期間でスムーズに決着したところを見ると、おそらく競売にかけずに任意売却で処理したのであろう。

*2:確かに後ろに冠名が入っている馬は、見落としがちだ・・・。

*3:勝ったのはフサイチフサイチでもコンコルドの方。モニターを遠目で見ながら奇跡が起きたとぬか喜びしたのもつかの間、馬番が違うことに気付いて・・・以下略)。なお、一応自分の名誉のために言っておくと、あのダービーの時点では、コンコルドもシンイチもさして戦前の評価に違いはなかった。人気も7番人気と8番人気、と互角だったし。

*4:残念ながら当時はワイドなんてなかった。

*5:06年のエリザベス女王杯もパンドラさえいなければ、“ツンデレ”スイープ戴冠祭りになっていたはずなのに・・・(苦笑)

*6:そのクセ、“勝負に徹する”つもりで買ってみると、思いのほか走らない。特に最近の牡馬のクラシックでの“人気倒れ”的状況にはちょっとひどいものがあった・・・。

*7:競馬専門紙がそういう経緯に一切触れずに淡々と厩舎コメントなんかを載せているから、なおさら寂しくなる・・・。

*8:かつては、セールでも思いっきり値段を釣り上げていたオーナーだっただけに、馬産地への影響は決して小さくないと思う。

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