東京競馬場で繰り広げられた雨中の激闘*1は、JRAG1レース史上初の「1着同着」というまさかまさかの結末。
固唾をのんで写真判定を見守った一昨年のウォッカとダイワスカーレットの天皇賞(秋)が2センチ差。同じく固唾をのんで見守ったフラワーパークとエイシンワシントン(もう15年近く前の話になってしまったか・・・)は1センチ差*2で、どちらのレースも、どっちが勝者でもおかしくない(むしろ両方勝者にしてあげたい)レースだったのだが、それでも決着は付けられた。
ゆえに、普通の重賞ならともかく、G1レースであれば、よほどのことがない限り(写真判定機器の故障とか・・・)同着判定はありえない、というのが、半ば“ファンの常識”だったのだが、そんな常識はいい意味で裏切られることになったのである・・・。
勝つのはアパパネかサンテミリオンか、でレース前に散々悩んだ自分としては、何とも無駄足感のある決着(配当も結局期待値の半分以下)となってしまったのだが*3、レース後に仲良く並んでコメントをしている蛯名騎手と横山典騎手の姿を見ていたら、そんなことはどうでもよくなった。
どちらの馬も長年“東低”と揶揄されてきた美浦の厩舎所属の馬だし、鞍上は長年関東のリーディング争いを繰り広げてきた年の近い好敵手同士。しかも牧場はノーザンと社台。
並んでも火花が散ることなく、実に絵になる組み合わせだったがゆえに、なおさら後味の悪さが残らなかったんじゃないかなぁ、と思っている*4。
ちなみに、枠順確定後の新聞コメントには、「8枠がいかに鬼門か」*5ということがかなり強調して書かれていたのだが、そんなジンクスさえもひっくり返してしまった2頭(アパパネ17番、サンテミリオン18番、いずれも8枠。)には、相当力がありそうな気がするわけで、秋の再戦、そしてその後の一線級牡馬との闘いが注目されるところである。
*1:ほぼ一日中降り続いた雨のせいで、馬場も発表(稍重)以上に悪くなっていたはず。
*2:去年もローレルゲレイロが1センチ差で勝ったレースがあったようだが、残念ながらライブで見ていないので、あまり印象には残っていない・・・。
*3:ちなみにJRAがネット投票会員向けにやっている勝ち馬の馬番(偶数or奇数)予想は、全員ポイント加算ということになるのだろう。たぶん。
*4:これが、G騎手とY兄騎手の組み合わせだったり、勝利ジョッキーの一方がイマイチ空気読めないダブルMだったりしたら、確定後のあんな美しい絵は撮れなかっただろう。たぶん(苦笑)。
*5:フルゲートが18頭になった1992年以降、馬番18番は16頭出走してリトルオードリーの3着が最高(後はすべて6着以下)、17番はチュー二ーの2着が最高で掲示板に乗ったのも他3回のみ。