“菅さん”が首相になる時代。

鳩山首相が最後の最後に“刺し違え辞任”をして、ようやく国のためになる大仕事をやってのけた数日後、菅直人氏が第94代首相に選出された。


思い返せば、名門家の御曹司だった前首相はもちろん、政権交代前から長らく名門政治一家出身の首相が続いていたことを考えると*1、政治とは決して縁の深くないサラリーマン家庭で育ち、“草の根”から中央政界にまで這い上がってきた菅氏が最高権力者の座に付いた、ということには、何とも感慨深いものがある。


筆者自身、学生時代は、地盤も看板もないところから、小政党を渡り歩いて自分の地盤を築き上げてきた菅氏の政治家(というか活動家)としての人生に何となく憧れを感じていたし、就職活動の際に“尊敬できる人”を聞かれた時、「親」より先に彼の名前を挙げたこともある*2


当時ですら、菅氏が首相になるなんてことは全く考えたことはなかったし、その後、大事な場面で不可解な発言を繰り返し、党内の権力争いに翻弄されている菅氏の姿を見て、もはや彼の時代は終わったのかなぁ・・・という印象を抱くことも度々だったのだが、なんとなんとここに来て総理大臣の座をつかむとは・・・。


何といっても、前の内閣が残した“負の遺産”があまりに多すぎるし、その辺も含めて発足後の新内閣には、あれやこれやといった注文が付けられるだろうから、首相が変わったくらいでガラッと民主党政権が再評価されることはないだろうし、支持率が爆発的に上昇するなんてことも考えにくい*3


ただ、これまでの9ヶ月弱の間に、すっかり重みを失ってしまった「政治」に、今一度本来あるべき最低限の機能を果たさしめるために、菅・新首相には、修羅場をくぐってきた政治家として、キモの据わったところを見せていただくことを期待するところである。

*1:「父親が国会議員でなかった首相」となると森喜朗氏まで遡らないといけないし、森・元首相にしても父・祖父は地元の町長だったりするから、広義の“政治一家”であることに変わりはない。ゆえに、厳密に言うと、村山富市元首相まで遡ることになるのではないかと思う。

*2:もう一人よく使っていたのが、当時日本人メジャーリーガーのパイオニアとして、ドジャースで活躍していた野茂英雄投手。どちらも自分の中ではある種のヒーローだった。

*3:自分とて、これで次の選挙の投票先を民主党に変えよう、なんてことは、全く考えていない。

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