昨年とはうって変わって、いかにも“ドングリ”な顔ぶれになってしまった今年の安田記念。
近年、日本馬が海外遠征しても、マイル路線では目立った戦績を挙げられていない状況で、迎え撃つ国内G1馬が、2年前の皐月賞馬1頭だけ、ということになると、香港馬の上位独占、という悪夢も頭をよぎったのだが・・・
どっこい。名前も和風なら血統も和風なショウワモダンが堂々のG1初制覇を果たして、何とか日本馬の意地を見せた*1。
6歳の春から3連勝で一気にG1、という足跡もさることながら、やっぱりこの馬の一番特筆すべきところは、テスコボーイ→サクラユタカオーの血脈につながる、エアジハードを父に持つ、というところだろう。
外国産馬に席巻されていた90年代後半の短距離路線で、ニホンピロウィナー産駒と並んで、貴重な内国産としての意地を見せていたのがサクラユタカオーの子供たち。
そして、ユタカオーの晩年の最高傑作として、春秋マイルG1制覇の偉業を達成したのがエアジハードだった*2。
故障がなければもっと強くなって世界でも互角に戦えたんじゃないか、と思えた馬だっただけに、引退後の種牡馬実績には若干寂しいものがあったのだが*3、母父・トニービンの血と混じり合って“東京の長い直線大好き”の遺伝子が爆発したか、ついにショウワモダンで産駒がG1初制覇。
いつも惜しい2着のスーパーホーネットには気の毒だが、できることならこのまま秋の京都でも、タイトルを取ってほしいものだと思う*4。