昨日の敵は今日の友。

今の時代、どんな経営統合話が出てきてもあまり驚かないのだが、さすがにこれはびっくりした。

富士通東芝は携帯電話機事業を統合する方向で最終調整に入った。実現すると国内シェアは約2割となり、シャープに次ぐ第2位メーカーが誕生する。携帯端末市場の低迷が続く中で、統合により事業基盤を強化する。国内では年内に高精細な動画などが楽しめる次世代方式の端末が導入される予定。両社は互いの技術を持ち寄ることで開発力を高め、海外市場開拓にも取り組む。」(日本経済新聞2010年6月11日付朝刊・第1面)

何でそんなに驚いたか、というと、両社が長年携帯電話機電話市場で競りあってきた巨大メーカーだから、というのもさることながら、つい2年ほど前に起きたばかりの、「らくらくホン」をめぐるドコモ対ソフトバンクモバイルの紛争の“陰の立役者”とも言うべきメーカー同士だったからだ。


当時のことについては、
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080318/1205866202
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20090416/1240030748
に書いている。


日経紙は、当時の話題に何ら触れることなく、経営統合のニュースを至極前向きに伝えているのだが、当時、携帯電話会社同士の“代理戦争”に巻き込まれた当事者としては、いろいろと複雑な思いもあるのではないだろうか。


記事によると、

東芝は09年秋に富士通のハードディスク駆動装置(HDD)部門を買収。事業の集中と選択を進める中で、両者の関係が深まっていた」

ということだし、“少年ジャンプ”的にいえば、センセーショナルな戦いを演じれば演ずるほど、後々仲良くなったりもするものだが、今回の経営統合が漫画のようにうまくいくのかどうか。


ことこの分野に関して言えば、日本のメーカーの今の技術・品質水準は、世界市場で十分に受け入れられる余地があると思うだけに*1、今後の発展に期待したいところである。

*1:ガラパゴス”になってしまうのは、機器そのものではなく、もっと別の部分の問題だと自分は思っている。

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