こんなに気持ちのいい徹夜明けの朝は、いつ以来だろう*1。
そして、こんなに気持ちのいい日本代表の試合を見たのは、いつ以来だろう*2。
ボールこそ相手に持たせているものの、ロンメダールをほぼ完璧に潰し、ベントナーにもほとんど仕事をさせなかったDF陣。後半早々から始まったパワープレー攻勢も、ペナルティエリア外でほとんどのボールをはじき返していて、DFラインが崩されたシーンはほぼ皆無だった*3。
懸念された攻撃陣の方も、今までの鬱憤を晴らすような3得点爆発。
世界の名手たちが手を焼いた公式球(ジャブラニ)を見事にコントロールした本田選手と遠藤選手のフリーキックも見事だったが*4、それ以上にダメ押しとなった3点目の本田‐岡崎のゴール前のピンポイントパスが実に美しかった。
純粋な確率の問題だったのか、それとも自分のために定位置を追われた控えFWへの配慮だったのかは分からないが、自分で打ってもいいような場所からあんな絶妙なパスを通す技術と心意気には感服するほかない*5。
前半再三見られた松井選手の洒脱なトラップや、遠藤選手のヒールパス、終盤の阿部選手の攻撃参加など美しいシーンは他にもたくさんあったのだが、何よりも素晴らしかったのは、本田選手の足元にピタリと止めるトラップと、正確無比なパス。
戦前の予想通り、デンマークのDF陣の動きが過去2戦の相手以上に鈍かったことが、日本攻撃陣の動きの良さを際立たせた面もあるが、長谷部→本田とつながる力強いパスワークと、そこから始まる相手陣を切り裂くドリブル突破は一瞬“メッシか?”と思わせるほどだった。
ハイレベルな試合を散々見た後に冷静に見直せば、そんな大したプレーじゃない、って話になるかもしれないし、ここで勝ったからといって、その勢いでとんとん拍子に決勝トーナメントを勝ち上がれるとはとても思えない。
ただ、大会前の低評価を跳ね返して実績を残し続けるこの代表チームのほとばしる熱気や一体感を見ていると、せめて、あと1,2試合くらいはこのチームが南アフリカで戦う姿を見続けていたい、と思う。
大事なのは過去の実績とか周りの評価とかじゃなくて、今ここで戦う気持ちなんだ、ってこと。
彼らの姿は、それを教えてくれている。