ここでまた新たな展開・・・か?

今年の夏頃に話が湧きあがった、ヤフー・米グーグルの提携問題。

「クールな独禁当局と、熱くなる日経紙」

コントラストが非常に印象的だったこの問題だが*1、なぜかここに来て、このタイミングで、国内ネット大手が議論に参入してきた。

楽天が、ヤフーと米グーグルのインターネット検索・広告分野での提携に反対し、同提携の調査を求める申告書を公正取引委員会に提出したことが19日分かった。グーグルがネット検索・広告分野で支配的な地位を得て国内ネット市場の公正な競争を阻害するとの懸念を表明した。」(日本経済新聞2010年10月20日付朝刊・第11面)

記事によると、楽天が意見書を提出したのは「10月初め」だということで、なぜ提携発表から3ヶ月近く経ったこの時期になって懸念表明に至ったのか、理由が良く分からないところもある*2

そもそも自分は、以前のエントリーでも書いたように、単なる技術上の提携・技術共有化が、“川下”の競争市場に直ちに影響を及ぼすかのような議論は、ちょっと眉唾ものだと思っているから*3、これまでの日経紙の“主張”を後押しするような今回の“懸念表明”にも首を傾げざるを得ない。

ただ、「マイクロソフト」という“外国人”ではなく、我が国を代表するネット企業の楽天が意見表明をしたことで、これまで公にはほとんど動きを見せていなかった公取委も、政治的に何らかの配慮をしなくてはいけなくなったりもするのかな・・・というのは、ちょっと気になるところ。

その意味で、今後の動きには、一見の価値があるかもしれない、とも思っているところである。

*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20100816/1282146297

*2:何らかのルートを使って提携の実態に関する情報を調査・入手し、懸念を抱くにいたったのか、それともメディアや業界関係者に煽られてその気になった(笑)のか・・・。

*3:ある製品・サービスの分野において、用いられている技術が共通している、という話はいくらでもあるが、だからといってそのような分野で企業間の製品・サービスをめぐる競争が成り立っていない、ということにはならないだろう。

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