土日の間、あちこちのメディアで実施が示唆されながらも、ギリギリの段階まで具体的な計画が発表されず、実施日である今日になってもオペレーションやその周知広報に混乱が見られる東京電力の「計画停電」。
東京電力にとっても政府にとっても、「電気を送電しない」ということ自体が異常事態なのであるから、それを回避するためにギリギリの努力をして、その結果“実施しない”という判断をしたことは誰も責めることはできない*1。
(個人的にはあまり好きな考え方ではないが)「『全体利益』のために個々の利害を犠牲にしなければならない場面」というのは必ず存在するのであって、今はまさにその時なのだから、「経産省や東電のプレスがバタバタかつ直前だったくらいでガタガタ言うな」という意見にも、十分に理はあると思う。
ただ、気を付けないといけないのは、「非常時だから」という一言で、思考停止に陥って、現状をすべて是認してしまうこと。そして、そのままのノリでズルズルと正当な批判まで圧殺されたまま、成り行きでことが進んでいってしまうこと。
特に今回の「停電」は、災害に伴う一時的なものではなく、今後、恒常的に実施していかないといけなくなる可能性が高いものなのだから*2、ちょっとずつでも情報の精度を高めていって、「負担感」を少しでも和らげるようにしていただかないと・・・という思いはある*3。
奇しくも、第三新東京市における「ヤシマ作戦」に喩えられる今回の「計画停電/節電」対応。
(http://yashima.me/about.html)
ただ、アニメとは違って、この“作戦”には、分かりやすい敵(使徒)がいるわけでもなく、計画遂行者に絶対的な権限を与える国家的背景があるわけでもない。
だからこそ、繊細かつ丁寧な対応を・・・切に願いたい。