7月1日以降の電力使用制限令発動下で、半ば神経質なくらいにどこの事業者も電力使用量に気を遣っているせいか、連日の猛暑にもかかわらず、東京電力管内の電力使用量は比較的余裕をもった数字で推移している。
とはいえ、そんな中でも公共施設のエスカレーターやエレベーターは、震災直後よりも稼働率が上がっているし、冷房も効いているところでは想像以上に効いていたりするから、仕事を離れて普通に街中を歩いている限り、例年の夏と比べてもそんなに違和感はない。
もちろん、見えないところでオフィス内が異常に蒸し暑くなっていたり(連日ミネラルウォーター3本くらいは優に消費してしまう)、大企業の工場から町工場まで、生産現場でのギリギリの努力が続いていたり・・・という背景があってのことなのは間違いないから、今年の夏を乗り切れたからといって、安定した電源を回復するための努力をしなくていい、ということには決してならないと思うのだけれど、小さな工夫を積み重ねていけば何とかなるんじゃないか・・・と思わせてくれるのも確かだ。
ちなみに、大震災以降の我が家の電力消費量の昨年比を出してみると、
4月 78.2%
5月 69.7%
6月 79.6%
7月 79.0%
といった感じで、ささやかな数字ではあるが、今のところは20%以上の削減率を何とかキープできている。
しかも、個人的には、まだまだ無駄なところで使ってしまったなぁ、と思うところはあって、更なる削減意欲にも衰えはない(笑)。
震災&原発事故以降続いている未曾有の国難を、「やればできる」の根性論だけで乗り切ろうとすることがいいことだとはもちろん思わないのだけれど、ちょっとした気付きと工夫に向けるモチベーションが、多くの人々の中に新たに生まれるのであれば、それはそれで悪い話ではないわけで・・・。
「この国のかたち」を立て直していくための過程が、長期戦になることは分かり切っていることだけに、そこにささやかな楽しみを見いだせるような、ちょっとした前向きさがあってもいいんじゃないかな、と思うところである。
節電の話一つとっても。