法廷開けたらサトウの敗訴。

以前、地裁判決の際にこのブログでも取り上げていた「切り餅」の特許権侵害訴訟で、何と、原告・越後製菓の請求を棄却した一審判決がひっくり返され、被告・佐藤食品工業特許権侵害を認める中間判決が出された、ということが、7日のニュースで報じられた。

地裁判決の際にもコメントしたように*1、原告特許の審査経過を鑑みれば、原告の主張も理解できなくはないところだったのだが(そして、地裁判決が原告の主張を退けるのに十分な理屈付けを行い得ていたか、という点にはちょっと疑問もあったのだが)、14億円以上の損害賠償請求が立っている事件で、高裁段階で逆転となると、やはりインパクトは大きい。

自分なんかは、たまたまニュースで流れた法廷の映像を眺め、その真ん中に座っておられた裁判長氏のお顔を拝見した時に、「ああ、そういうことか。」と短絡的に(判決文もまだ読んでいないのに)納得してしまったのだが、当事者は全く納得していないようで、判決直後に出されたと思われる、被告のプレスリリース(http://www.satosyokuhin.co.jp/corp/pdf/timely/20110907_timely.pdf)にも、

「当社は、現時点でも、控訴人の特許権を侵害するものではないと考えておりますが、今後の損害論の審理においても争ってまいります。」

という強気のフレーズが掲載されている。

現実的に考えれば、終局判決まで行って、億単位の賠償義務を負担させられるリスクを負うよりは、このタイミングでうまく手を握った方が得策だとは思うのだが*2、果たしてこの先どういう展開になるか。

いずれアップされるであろう中間判決の内容と合わせて、いろいろと興味深いところである。

*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20101201/1293983864参照。

*2:そういう思惑もあってか、勝った越後製菓側のHPには、7日夜の時点で本件に関する特段のコメント等は掲載されていなかった。

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