9・11/分岐点

アップするのがだいぶ遅くなってしまったが、今年の9月11日に考えていたことをちょっと書いてみる。

東日本大震災から半年」と、「米国同時テロから10年」という話題がひたすら繰り返しテレビで流れていた今年の9・11。

まだ生々しい記憶が消えないが故に、歴史上の一トピックとして語るには抵抗がある前者とは異なり、後者はもはや過去の歴史の一エピソードになりつつある。

世界が大きく変わってしまった悪夢の夜*1
当地で働いていた多くの邦人の方々が犠牲となったのも事実で、そう簡単に過去の出来事として整理できない方もまだ大勢いらっしゃるのではないかと思うが、自分の中では、当時の様々な映像に、むしろ懐かしさすら感じられた。

不思議なことに、「10年」という長い月日が流れても、2機目の飛行機が突っ込んだ時のニュースをどこで見たか、とか、翌朝のバタバタした混乱ぶり、だとかは、未だに結構思い出せる。

当時、田舎の支店で働いていた自分は、翌日呼び出しの出張で本社に行くことになっていて、その気楽さゆえに*2前の日は遅くまで飲んでた&夜更かししてた*3こととか、のこのこと次の日に本社に出かけていったら、現地赴任中の社員&家族の所在確認だとか当座の対応だとかで慌ただしく人が動いていて、おかげで約束の時間よりだいぶ待たされたこととか・・・


自分にとっては、ちょうど人生の分岐点にあたるような時期でもあった。

院に派遣されることが決まり、埃をかぶった学部時代の教科書を掘り出してちょうど読み始めていた時期*4

9・11の翌日に本社に呼び出されたのも、ちょうどその派遣の関係で、諸々の打ち合わせをするためだったと記憶している。

会社に入って何年か経ち、ある程度自分の存在も周りから認知されるようになってきて、とんがり続けることに飽き始めていた頃だっただけに、その後の2年間、高等教育機関での強烈な刺激を受けることがなければ、そのまま穏やかなサラリーマン人生に身を投じていたかもしれないし、少なくとも、今のような形で、バッヂを付けて仕事をすることなど、ありえなかっただろう。

振り返ればもう10年。

9・11の報道では、「この10年で世界が大きく変わった」という類の言説が目立ったが、自分の人生もこの10年で(ささやかながら)劇的に変わった、と密かに思っているところ。

超大国アメリカの変化一つとっても様々な見方をする人がいるのと同じで、自分自身の変化も、それをどう受け止めるかは人それぞれ。自分にもよく分かってないところではあるのだが、この先10年、20年、「9・11」という世界史上の一大トピックにスポットが当てられる時が来るたびに、自分自身の変化をも振り返ることができるのかと思うと、そう悪い話ではない。

そんな気がしている。

*1:日本時間基準。

*2:出張だと行きの行程でぐっすり寝られるから(笑)。

*3:ゆえにあの衝撃的な飛行機の衝突映像も、最初に見たのは場末のスナックのカウンターだった。

*4:一応、その当時も法務と名のつく仕事はやっていたはずなのだが・・・汗。

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