予想通り、9月に入ってからの日が過ぎるスピードの早さには正直呆れるばかり。
連休だとか何とか言っている間に、早くも月の半分を終えることになってしまっている。
そんなあくせくした毎日に、少しでも癒しを・・・ということで、最近映画化もされ、いろいろと評判になっている一作を読んでみた。
- 作者: 夏川草介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/06/07
- メディア: 文庫
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なぜか夏目漱石の文体で語り続ける主人公をはじめ、登場人物が皆奇天烈なキャラで描かれていて、世界観的には「四畳半神話体系」のそれに近い。
それでいて、物語的には大きな波乱もなく、すんなりと収まるべきところに収まってしまうので、本格派小説というより、ライトノベルを読んでいるかのような軽さを強く感じてしまい、玄人筋から高い評価を受けられる代物ではないな・・・というのが、読み終えた後の率直な印象ではある。
だが、「地域医療」「終末期医療」という非常に重たいテーマを扱っている割には、あっさりとした筆致、そして、登場人物に誰一人“悪人”がいない、といったあたりに、癒しの一冊としての魅力を感じたのも事実。
細かいところにケチを付け始めたらキリがない・・・そんな状況であったとしても、まずは一度読んでみる価値はある。そんな作品だと自分は思う。