いつの間にか始まって、いつの間にかシーズンも終盤になってしまった今年のペナントレース。
そして、首位を走っていたはずのヤクルトがいつの間にか引きずりおろされ、優勝したのは今年も結局ドラゴンズ。
贔屓チームがCS進出を逃したことと相まって、いつもなら「面白くねぇ」*1の一言で終わってしまうような展開なのだが、今年に関しては、落合博満監督がシーズン途中に「今季限りでの退団」を発表されてしまった、というトピックもあって、多少は興味深くみていた。
ファンサービスが足りない、とか、観客動員が落ち込んだ、とか、いろいろうるさく言う人は多いようだが、“勝ってナンボ”のプロの世界で、1年目からリーグ優勝。2年目以降も、毎年のように優勝争いに絡み、2007年には遂に53年ぶりの日本一の称号をチームにもたらした。
就任以来、どんなに悪くても3位より下には落ちず、CS制度導入後は、必ずファイナルステージまで残っている。
森監督時代のライオンズには及ばないかもしれないが、自分が物心ついて以来、セ・リーグではなかなか見ることができなかったほどの安定感のあるチームを作り上げた監督を名将と言わずに何といおうか。
短期決戦に弱い、という評価もあるが、2位ながら首位の読売を倒して日本シリーズまで一気に勝ち切った2007年シーズンや、その年独走優勝しても不思議ではないような強さを見せていたタイガースを葬り去った2008年のCSファーストステージなど、見せ場も十分に作っている。
そんな落合監督が、経営サイドの意向で事実上解任されることになったシーズンで、その報道が流れてから一気に逆転優勝に向けた快進撃が始まった、というのだから、これをドラマといわずして何と言おう。
これまで、「短期決戦」といっても決して奇をてらうような戦術はとらず、「翌年のペナントレースまで意識してたのか?」と思いたくなるような脱力的な選手起用も決して少なくなかった落合監督が、本気で“勝ちにいく野球”をしたら、この先一体どうなるのか、そして、圧倒的な采配の力を見せつけて日本一になった時、球団の“既定路線”がどのような評価を受けるのか、そういったことを考えていくと、ちょっとは関心持ってプロ野球ニュースを見てもいいかな、という気分にさせられる。
なお、変な媚を売らず、実績だけで自分の存在を証明する*2、こういうタイプの人を自分は何よりも好んで応援するたちなだけに*3、今季限りでの退団、というのは何とも寂しい気持ちにさせられるが、これで確実に自分の贔屓チームが来季一つ順位を上げられる、と思えば喜ぶべきなのか*4。
久万オーナーが健在だったら、迷わず虎のユニフォームを着せに行ったかもしれないな・・・と思うと、ちょっと残念な気もする。