昨年のエリザベス女王杯、並いる“国内強力牝馬ラインナップ”が一瞬で蹴散らされ、欧州馬の底力を見せつけられてしまったあのレースで、思わずため息をついてしまってから早いものでもう1年になるのだが*1、ちょうどいい感じで昨年の悪夢も忘れかけていた頃に、またしても悪夢が再現されてしまった。
ゴール前でただ一頭、33秒台の末脚を炸裂させ、外国馬史上初の同一G1レース2連覇を達成したスノーフェアリー。
最後の直線では、今年の3歳G1戦線で張り合った2頭(アヴェンチュラとホエールキャプチャ)と最多タイトルホルダーの意地を持つアパパネが、緊張感あふれる競り合いを繰り広げていたのだが、そんなのは関係ない、と言わんばかりに、下々の馬を一気に全部まとめて差し切ってしまったあの衝撃は、なかなか形容できるようなものではない。
ちなみに、テレビの解説などでは、「去年に比べるとそんなに強い勝ち方ではなかった」などというコメントも何度か耳にした。
だが、シンメイフジが猛烈なハイラップで大逃げを打つ一方で、2番手以降は随分とスローな展開になっていた、という今年のレースの特徴に鑑みれば*2、道中ずっと後方にいながらも、「ここぞ」のタイミングで一気にインに入り、絶妙のコース取り&驚異的な末脚の爆発力を見せたスノーフェアリー&ムーア騎手の今年のレースぶりは、むしろ昨年以上にインパクトが強いものだったように思う*3。
「国際レース」として門戸を開き、外国産馬を迎え入れるこということになっている以上、外国産馬にタイトルを持って行かれることも織り込んでおかなければいけない・・・。それは分かっていても、こう毎年のように如実な「差」を示されてしまうと、これからのことをちょっと考えないと、という気持ちにどうしてもなってしまう。
月末付近に行われるジャパンCでは、日本馬の覚醒に期待したいところではあるのだけれど。