主役のいないグランプリファイナル。

カナダはケベックで行われた今年のフィギュアスケートGPファイナル

本来ならば主役として表彰台の真ん中に立つはずだった浅田真央選手が、母親の危篤の報を受けて急遽帰国し、そのまま無言の再会・・・という悲劇が週末に報じられたこともあって、何となくいつものような優雅な気分でテレビ桟敷に座るわけにもいかなかったのだが、それでも見た。

感想としては、女子に関しては、やはり主役不在だなぁ・・・という印象。

元々、GPファイナルという大会は、「GPシリーズの上位者が参加する豪華大会」という触れ込みの割には、五輪、世界選手権といった大イベントに直結しない微妙な位置づけの大会で、レベル的にも低調に終わることがまま見られたのだが、今年もそんな感じだった。

願わくば、日本女子の看板をただ一人背負って出場した鈴木明子選手に「初タイトル」を! という期待もあったのだけれど、プレッシャーもあったのか、フリーの演技では、後半のコンビネーションジャンプをことごとく失敗する痛恨のミス。

SPで首位に立っていたコストナー選手も、フリーの滑り出しから、まいどお馴染みの“ガラス”ぶりを存分に発揮していただけに、惜しかったなぁ・・・とは思うのだけれど、仮にここでタイトルを取っていても、自分を含め、日本のファンとしては複雑な思いに駆られただろうから、これで良かったのかもしれない。


一方、男子の方は、SPで出遅れた高橋大輔選手が、フリーでほぼ完璧な演技を見せて一気に2位浮上。
初のファイナル出場で、持ち味を存分に発揮した羽生選手とともに、大きな存在感を示せたのは、収穫だっただろう。

カナダでやる上、パトリック・チャンが優勝してしまうのは、仕方がないことだったと思うけど、2人とも、もしかすると世界選手権では立場逆転、というのも考えられるかなぁ、と思えるくらいの良い滑りだった。


五輪中間年、という微妙な位置づけのシーズンとはいえ、気が付けば次の五輪ももうあと2シーズン、というところまで迫ってきているわけで、ハイレベルな日本選手権で勢いを付けて、世界で強いインパクトを残す・・・そんな後半戦になることを期待している。

そして、日本選手権では、リンクに帰ってきた浅田真央が、再び主役に返り咲く・・・そう信じて吉報を待つことにしたい。

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