弁護士ランキング2011

今年も年末の風物詩、「2011年に活躍した弁護士ランキング」が日経紙に掲載されている*1

今年も企業141社、弁護士233人のアンケートにより順位付けがされているのだが、昨年のこのランキングに関するエントリーで*2

「企業票が0票、1票の人がランクインしているのはおかしいのでは・・・?」

的なトーンのことを書いたら、今年の記事から、内訳が表示されなくなった・・・orz まぁ何とも。

あと、毎年あちこちで指摘されている「組織票」。
自分があれこれ言う前に、結果を見ていただければ一目瞭然だろう。

<企業法務部門>
1.小舘浩樹(アンダーソン・毛利・友常)32票
2.太田洋(西村あさひ)23票
3.中村直人(中村・角田・松本)22票
4.藤原総一郎(長島・大野・常松)21票
5.石綿学(森・濱田松本)15票
6.葉玉匡美(TMI総合)11票
6.沢口実(森・濱田松本)11票
6.三浦亮太(森・濱田松本)11票
9.菊地伸(森・濱田松本)10票
9.武井一浩(西村あさひ)10票

<危機管理部門>
1.郷原信郎郷原総合)39票
2.古田啓昌(アンダーソン・毛利・友常)35票
3.木目田裕(西村あさひ)25票
3.国広正(国広総合)25票
5.久保利英明(日比谷パーク)24票

<外国法部門>
1.森脇章(アンダーソン・毛利・友常)38票
2.射手矢好雄(森・濱田松本)33票
3.森口聡(長島・大野・常松)22票
4.池田祐久(シャーマンアンドスターリング)15票
5.赤井泉(サリヴァンアンドクロムウェル)14票

2年連続企業法務部門トップの弁護士を輩出している事務所が、外国法部門でもトップ、危機管理部門でも2位に自分のところの弁護士をランクインさせている・・・その事実だけを見ていただければ、それ以上の説明は不要だろう。

大手事務所の中に割って入る形で、毎度おなじみの中村直人弁護士が企業法務部門の3位にランクインしていたり、郷原弁護士が堂々の部門トップを獲得していたり*3、と、本来の“人気投票”としての性格(良い意味でも悪い意味でも)が依然として残っているのは事実だが、ユーザー側の回答率の低さや、票の散らばり度合いといったものを考えれば、もはやこの企画は、「順番づけ」の企画としては、意義を失っていると言わざるを得ないのではなかろうか。

そもそも、企業側にとってみれば弁護士との関係というのは、基本的に「継続的な」ものであって、何をもって「今年活躍した」といえば良いのか、基準がまったくない状況なのだ。

そんな中で、同じようなコンセプトでこの手の企画を毎年繰り返して、こじ付け的な「講釈」を加えたところで、ただのネタ記事にしかなるまい。

真に実りある企画にしようと思うのであれば、例えば、「今年もっとも印象に残った書籍/論文を出した弁護士」とか、「今年もっとも印象に残った第三者委員会報告書を書いた/記者会見でコメントした弁護士」とか、「今年もっとも印象に残る講演/セミナーを行った弁護士」といったようなカテゴリー分けをして、投票を募るのが良いと思う。

1社1票、なんてケチなことを言わず、広くネットで投票者を募ったって良いだろう。
理由付記を必須にしても、今よりは遥かに多くの票が集まるはず。

まぁ、こういった有意義な企画は、BLJくらいの専門誌でないと、できないかもしれないけれど・・・。

*1:日本経済新聞2011年12月15日付け朝刊・第33面。なお、電子版では企業法務部門で31位まで、その他の部門で約10位までのランキングが掲載されている。

*2:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20101224/1293677080

*3:もっとも、「危機管理部門」というカテゴリーを「企業法務」と分けて作る必要が果たしてあるのか・・・?ということ自体に、個人的には疑問があるところ。

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