進化する『BLJ』

有馬とフィギュアスケートにかまけて、書評の第2弾を書くのをサボっている間に、恒例の「法務のためのブックガイド」を特集に掲げるBLJの最新号が世に出てしまった。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2012年 02月号 [雑誌]

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2012年 02月号 [雑誌]

BLJ誌のこの企画は、もう3年前くらいから続いているお馴染みの企画なのであるが、今年の特集では「法務担当者5人による購入書籍分野別批評会」という斬新(?)な(そしてこの雑誌が最も得意とするタイプの)イベントが取り入れられていたり、法務担当者視点だけでなく「出版社視点」の記事が掲載されていたり、過去のアーカイブをうまく活用した「定番書10冊」なんて企画が入っていたり・・・と、全くマンネリ化していないのが素晴らしいところ。

法務担当者が書いた記事を見ても、自分がまったく触ったことがない、我妻栄著『民法案内』(名著だということは自分も知っている・・・)を再読してしまうような格調の高いソフトウェアベンダ担当者が登場するなど(笑)、いろいろと興味深いコメントが多かった。

これ以外の記事を見回しても、執筆陣の先生方(相当の豪華布陣)&法務担当者が、かなり面白いところまで踏み込んで、独禁法をめぐる“企業間の”アクションについて記した「独禁法の攻撃的活用」という第2特集がかなり光っているし、(自社出版物の宣伝を兼ねているとはいえ)「暴力団排除条例Q&A」の対談も、結構突っ込んでいるな・・・と感じる*1

法務関係者の裾野の広がりとともに、同じ系列の雑誌が書店にも目立つようになった今日この頃ではあるが*2、企画力、という点ではこの雑誌が一歩抜けているのは間違いないところで、来年に向けてもますます期待を高めてくれる、そんな最新号。

冬休みのお伴として、是非購入をお勧めしたい。

*1:もっとも内容についての突っ込みどころは多々あるが・・・(笑)。いずれ、本そのもののレビューを書くつもりなので、その時にまとめて。

*2:最近では遂に「ジュリスト」までがビジネス特化を打ち出そうとしている。これについても機会があれば後ほど。

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