お雑煮を食べながら思ったこと。

「切り餅」の特許権侵害事件、といえば、ここ数年、話題を振りまき続けている極めてタイムリーかつセンシティブな話題で、このブログでも、一昨年の地裁判決、そして昨年の知財高裁判決と、フォローを続けているところ。

東京地裁判決
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20101201/1293983864
知財高裁判決(中間判決)
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20111125/1322963012
 http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20111126/1322969677

ちょうど昨年の正月も、同じことを考えながら切り餅を焼いていた記憶があるが(確か別のメーカーの商品だったと思う)、まぁ、あれだけセンセーショナルな中間判決を書かれてしまえば、今年はさすがに被告会社の商品は買えないよなぁ・・・と思って、近所のスーパーに行ってみたら、なんとあった。

ずらっと並べられているセール品(PB商品)の陰に隠れて、ひっそりと売られていた(しかも一回り高価)のだが、ここで買わねばいつ買う、とばかりに、購入。

で、実際に開封してみると・・・


やはり特徴的なのは、上表面の十字の切り込み、そして話題の「側周表面の切れこみ(2本の筋)」

焼いてみたら、確かにうまそうに焼ける。

そして、食ってみても・・・・

確かに(高いだけあって)美味い。

個人的には、この商品が店頭に置かれていていいのか? という素朴な疑問があったのだけれど、

「年末年始を挟む決算期に売上高と利益が一気に増加する」

という特殊事情がある業界だけに*1、(訴訟では敗色濃厚とはいえ)ここで引くわけにはいかない・・・という思いがあったのかもしれない*2

一消費者としては、こういう食品が、依然として味わえることを素直に喜ぶべきなのだろうけど、何となく素直に喜べないのは、日々、リスクがどうこう、とかコンプライアンス云々、とつぶやき続けなければいけない立場にあるがゆえの、職業病だろうか・・・。

できれば、来年の正月も、この餅をいただくことができることを願うのみである。

*1:サトウ食品工業決算短信・添付資料2頁参照、http://www.satosyokuhin.co.jp/corp/pdf/settle/h2404kessan2.pdf。ちなみに同社は、予測される判決結果については依然として決算予想に織り込んでおらず、逆に、第2四半期までの業績好調を受けて、12月9日付けで予想を上方修正している。

*2:もしかすると、水面下でうまくライセンス処理している可能性もあるが、これまでの“強気”一辺倒のプレスリリース等を見る限り、さてどうだろう・・・という感じである。

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