“やらせ投稿”は「違法」なのか?

突如としてニュースに流れた「食べログやらせ投稿」問題。

記事によると、

「価格比較サイト大手、カカクコムが運営する人気グルメサイト『食べログ』で、金銭を受け取って飲食店に好意的な口コミを投稿するなどし、ランキングを上げようとする「やらせ業者」が水面下で活動していることが4日、分かった。同社は昨年末時点で39業者を特定。評価システムの改良など対策を強化し、悪質な業者に対しては法的措置も検討する。」(日本経済新聞2012年1月5日付け朝刊・第38面、強調筆者)

ということなのだが・・・。


自分も、長らく「食べログ」は愛用しているし、いつの間にか「プレミアム会員」になってしまうくらいの投稿も重ねているので、この件については、いろいろと思うところはある。

まず、「食べログ」に限らず、この手の投稿系ランキングサイトでは、どうしても投稿する人の“主観”で評価が付き、感想が書かれてしまうから、仮に“やらせ”が全く介在しなくても、ランキングや感想を盲目的に信用する、というのはあまりお勧めできない。

特に、

値段お高めの高級料理店やマニアックなお店に軒並み高い評価が付く一方で、料理の質では遜色ないような店が、大衆店であるがゆえに平凡な評価にとどまっていたり、前の人が高い評価を付けている人気店にとりあえず行って並んで、それで満足して何となく高い点数を付けた・・・と思われるような評価が並んでいたり・・・

といった例は、よく見かけるところ*1

一人で、何百件も投稿していれば、感想を書いているうちに、自分の中でも客観的な物差しができてくるから、雰囲気に流されるようなことはさすがになくなるのだが、それでも、当日の店員さんのちょっとした対応で、評価が±1くらいは変わってくる。

それゆえ、この手のサイトを見る時は、点数にはあまり目を向けず、個々の投稿の具体的なエピソードから、何となくその店の雰囲気を確認する。そして、最後は自分の目で(下見をして)確かめる・・・といったリスク回避策が本来は不可欠なはずである。


それにもかかわらず、「サイトの信頼性を歪める」等々の理由で、“やらせ投稿”に対して殊更に目くじらを立てる・・・という感覚は、自分にはちょっと良く分からない。

もちろん、サイト運営者にしてみれば、このような「営利目的で恣意的な投稿を行う」業者に対しては、当然、利用規約等に則って制裁を課すべき、ということになるだろうし、評価される「飲食店」にとっても、仮に自社が業者を利用していた、ということになれば、

「金で高い評価を買ったけしからんお店」

という極めて芳しくない風評を受けることになるから、このような行為は避けるに越したことがない、というのも間違いないところである。

ただ、

7.禁止行為
(1)お客様が食べログを利用するに際して、次の行為を行うことを禁止します。
[1] 法令上または本規約若しくはガイドライン上特に認められている場合を除き、食べログの提供する情報を当社の事前の同意なく、複写、若しくはその他の方法により再生、複製、送付、譲渡、頒布、配布、転売、またはこれらの目的で使用するために保管すること
[2] 本規約またはガイドラインに違反すること
[3] 公序良俗に反すること
[4] 違法行為・犯罪的行為・重大な危険行為に結びつくことまたはこれらを助長すること
[5] 当社、他のお客様または第三者知的財産権著作権意匠権実用新案権、商標権、特許権、ノウハウが含まれますがこれに限定されません)を侵害すること
[6] 他のお客様または第三者の権利または利益を違法に侵害し、またはそのおそれがあること
[7] 食べログの運営を妨げること、または、当社の信用を毀損すること
[8] その他、当社が不適切と判断すること
(2)お客様により前項各号に該当する行為または食べログの趣旨・目的に照らして不適切であると当社が判断する行為がなされた場合、当社は当該お客様に対して、食べログの利用の停止その他当社が適切と判断する措置(以下「利用停止措置」といいます。)をとることができるものとします。なお、利用停止措置はお客様の帰責性の有無にかかわらず当社の裁量・判断に基づき行うことができるものとし、利用停止措置を行った理由については、その如何を問わずお客様に対して一切お答えいたしかねます。加えて、利用停止措置に起因してお客様に生じた損害については、当社は一切の責任を負わないものとします。

といったように、「やらせ行為」の禁止を明確にうたっていない投稿者向け利用規約http://tabelog.com/help/rules/)の記載だけで、本当に「法的措置」まで大胆に打って出ることができるのだろうか・・・?という疑問は残るところだろう。

また、

「同社は今後も自社での対策を強化するほか、行政などと連携し不正行為の防止を徹底したい考えだ

という話になってくると、なんでこんなところで「行政」?という疑問も沸々と湧いてくる。

いずれにせよ、この手の“なりすまし”投稿は、企業倫理上問題があれど、法的に違法とまではいえないのでは・・・?と自分は考えているだけに、上記のような問題の行方が、今後果たしてどうなるのか、という点に、今後注目していきたいところである。

*1:特に、宴会で使うのに適したような店は、地味な評価に埋もれていることが多いので、あのランキングポイントを鵜呑みにしてはいけない・・・というのが、宴会幹事の鉄則だといえるだろう。