さぁ始まった泥仕合。

昨年以来このブログで継続的に取り上げている、グリー対DeNA、というSNS大手の新鋭ベンチャー企業同士の独禁法違反をめぐる戦い*1

11月21日付けのプレスリリース・記者会見のあたりまでは、グリーがほぼ一方的に攻める展開で、最近露出の機会が多いグリー・田中社長の攻撃的なスタイルも相まって、DeNAにとってはキツイだろうなぁ・・・と思っていたのだが、年が変わり、遂にDeNA側も反撃に出た。

「交流サイト(SNS)大手のディー・エヌ・エーDeNA)は、グリーと同社の田中良和社長を相手取り、不法行為などに基づく損害賠償と謝罪文掲載を求める訴訟を東京地裁に起こした。」(日本経済新聞2012年2月1日付け朝刊・第11面)

ちょうど、プロ野球もキャンプインを迎え、これからシーズン終了まで、ほぼ連日「横浜」とセットで自分たちの社名がテレビで、新聞で取り上げられることになるDeNA

本業の状況はともかく、今は、会社の存在感そのものが大きく増しつつある状況だけに、何年か越しの“泣き所”であるこの件でも、何とか巻き返してやろう・・・という強い意欲が感じられるところである。

もっとも、自社のHP上で、「当社に訴状が届いていないので・・・」と直ちにリアクションしたグリーとは異なり*2DeNAの方は、公に対しては、適時開示で

当社は、本日、グリー株式会社及び同社代表取締役社長田中良和氏に対して、不法行為等に基づく損害賠償及び謝罪文の掲載等を請求する訴訟を提起しましたのでお知らせします。
グリー株式会社によるプレスリリース文面(2011年11月21日)及び田中良和氏の各所での多数の発言において、当社が違法行為を行っているかのような指摘がなされたことに対する法的措置です。
当社の主張は今後訴訟の場において明らかにしていきます。

というシンプルな“リリース”をしたのみで*3、ホームページ等の自社媒体には掲載していないようだ。

「今でもDeNAが競争妨害行為を継続している」というふうに受け止められてしまうグリー及び田中社長の発言は、自分が見聞きした限りでも、かなり踏み込んでいるなぁ、と思えるようなものであったから、仮にそのような事実があることをグリー側が立証できなかったとすれば、DeNAの側にも十分勝機が出てくると思うのだが、その一方で、当事者以外の第三者から本件の状況を見たら、単なる「ただの泥仕合」にしか見えない争いになりつつあるのも事実だけに、それをHP等に乗せてわざわざ世の中に広くアピールする必要はない・・・

そう考えたのかなぁ、と何となく思うところ。

裁判資料にアクセスできる立場でもないので、判決が出されるまで、どういう展開になるのか先を読むことは難しい状況なのだが、そうでなくても浮き沈みが激しいインターネット業界のことだけに、せめて訴訟当事者双方が企業として健全な活動を行えている間に、一定の結論まで辿りついてほしいものだ、と今は願うのみである。

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