またしても繰り返される・・・

4名の候補者が立候補し、直前まで環境に優しくないFAX、ハガキの類が飛び交っていた平成24年度・平成25年度日弁連会長選挙は、結局、「最多得票者が単位会の3分の1を制することができない」という2年前と同じパターンで、再投票にもつれ込む結果となった。

結果だけ見れば、2年前と全く同じパターン。

ただ、日弁連が公表した、今回の得票数の仮集計結果*1と、前回の仮集計結果*2を見比べると、今回はちょっと2年前とは状況が違うかな・・・というのが一目瞭然である。

前回は、最初から主流派候補*3と現会長の一騎打ちで、単位会レベルで見れば現会長42会、対立候補が9会と、現会長の圧勝。票差も1000票離れていない、という状況で、ちょっと風が吹けばひっくり返る要素は十分にあった。

これに対し、今回は、現会長が制したのは37会にとどまり、最多得票した主流派系候補が実に12会を制している。
そして、得票数も、単純比較すれば1300票程度の差、とはいえ、3位に敗れた主流派系候補*4の票を足し合わせると、実に4000票以上の大差が付き、支持層が比較的近いと目される得票数4位候補の票(約1800票)が、すべて現会長の側に回ったとしても遠く及ばない結果となる。

「1回目は派閥の義理だの、同期の勧誘だのに泣き落されて言われたまま投票したけど、2回目は・・・」という人は、前回も多かった(それが結果的に現会長が勝利する原動力になった)し*5、未だ眠っている“浮動票”もあるだろうから、蓋をあけてみるまではどうなるかは分からないのだが、このまま行くと・・・というのが、自分の感情を捨象した客観的な予想、ということになるだろうか。

もっとも、弁護士会のトップが誰であろうが、できることには大して変わりはない今の法曹界のシステムを考えるならば、実質的に選挙運動期間が伸びて、無駄な経費と紙資源が浪費されるだけの再選挙なんてやらずに、潔く“じゃんけん”でセンター・・・もとい、会長決めればいいじゃない・・・と思ったりもするわけで。

しがらみと無関係に生きられる幸福感を味わいながら、この先1ヶ月、高見の見物を決め込もう、と思う次第である。

*1:http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/updates/data/2012/2012_2013_syukei.pdf

*2:http://kito.cocolog-nifty.com/topnews/files/2010_2011_senkyo_karisyuukei.pdf

*3:何を「主流派」と呼ぶかは人それぞれだろうが、ここでは、いわゆる“派閥”の看板を背負った候補のことをとりあえず「主流派候補」と定義しておく。

*4:今回の選挙では、候補者調整に失敗したのか、主流派系を目される候補がなぜか2人も立候補する事態に陥っていた。

*5:もっとも、そういう投票行動をとるくらいなら、最初から義理立てなんてせずに、自分の入れたい人に入れればいいのに・・・と自分なんかは思ってしまう。最も道理を重んじる人々の集まりのはずである業界で、なぜこのような原始的な悪弊がはびこっているのか・・・一度本格的に研究してみると面白いのかもしれない(笑)。

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