DeNA、まさかの敗北。

最近、法廷での闘争が熾烈を極めているモバゲー業界だが、遡ること3年前の秋に話題となった「釣りゲーム著作権侵害訴訟」で、“まさか”の判決が出た。

「携帯電話向け釣りゲームで画面が酷似しているなどとして、ソーシャルゲーム大手のグリーが同業のディー・エヌ・エーDeNA)など2社を相手取り、配信差し止めや約9億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁の阿部正幸裁判長は23日、「著作権侵害に当たる」として、配信差し止めと約2億3000万円の支払いを命じた。」(日本経済新聞2012年2月24日付け朝刊・第3面)

この事件の提訴時にコメントした通り*1、この種の“ライバルのに似ちゃいましたね”事案の場合、不競法的観点からの違法性はともかく、著作権侵害は認められにくいのでは?*2というのが素朴な感想だったし、当時の「先行するDeNA、追うグリー」という力関係からすれば、訴訟の勝敗を度外視した“グリー側のアピール”ではないか、という見方も強かった。

だが、2年以上かけて審理した結果は、

「携帯向け釣りゲームは多数あったのに、水中に同心円を置き、魚の位置で釣り糸を巻くタイミングを表現したゲームはなかった」

という認定の下、依拠性と翻案該当性を肯定する、という、グリーにとっては万々歳の結果。

当然ながら、DeNA側は即日控訴したそうだが、そうでなくても、大躍進中のグリーの勢いに押されがち、という印象が染み付いてきている時期だっただけに、当事者にとっては痛恨の極みだろう。

この先、知財高裁で結論がひっくり返る可能性もあるし、独禁法絡みの別件と合わせて、このままグリーが、「法廷における業界内不動の地位」を確立できるか、と言えば、まだまだ予断を許さない状況なのではないかと思う。

ただ、和解等に持ち込まれることなく、最終的に高額の請求認容判決が出されるまで食い下がった、というDeNA側の今回の応訴態度を見ると、歴史の浅い業界ながら、ひとたび争いが始まれば、「どちらかの血をみるまで終わらない」という激しい業界なのだなぁ・・・ということを、ひしひしと感じるのも事実。

上記日経記事の中で、

「互いに似通ったゲームを多く配信している」

という業界関係者の指摘が引用されているように、この先も様々な火種が眠っていることが予想される世界だけに、まずは、近々公表されるであろう第一審判決に目を通した上で、今後の展開を占っていくことにしたい。

*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20090926/1254011872

*2:結局のところ、同じテーマでゲームを作ろうとしたら必然的に共通する部分は出てきてしまうのであって、類似するとしても“アイデアレベル“の類似性に過ぎない、と片付けられるか、“ありふれた・・・”と言って片付けられるのがオチ、というパターンが多い。