今年も巡ってきた海の日3連休に思うこと。

もう、この期間に机に向かわなくなって久しいとはいえ、今でも海の日の3連休が来るといろいろなことを思い出す。

「数カ月の間続いた寝不足からもう少しで解放される」という思いと、「これが過ぎればまた年が変わって次の春が来る頃まで挑戦する機会が回ってこない」ことへの寂しさ。そして、「次の年に同じように日程を確保して会場に来られるかどうかすら分からない、だから今年こそ幸運が巡ってきて欲しい・・・」という焦りと、そんな中で生まれるある種の開き直り。

一言では言い表せない、そして、自ら体験した者にしか分からない、そんな経験を何度か繰り返す中で、自分が得たものは間違いなく大きかった。

だからこそ、もうなくなってしまったあの試験の系譜を脈々と受け継ぐ「予備試験」が、あの頃と同じ日程でひっそりと行われ、3連休の中日・最終日の2日間に机に向かって悪戦苦闘しながら論文を書き上げる人々が未だに残っている、ということが、自分は何となく嬉しい。


“予備”といっても、今年の受験者は遂に7000人を突破し(7183人)*1、受験者の人数がとうとう6000人を割り込んでしまった(有資格受験者の数は、5801人にとどまっている)*2適性試験を大きく上回る状況だから、もはや“ひっそり”というには失礼な状況なのかもしれないけれど*3、一部の現役学部生・ロー生の受験生以外の方々にとっては、「まだあったんですか?」と言われた旧試験末期の受験生ともある種共通するマイナーさ、報われなさ*4にも変わりはないわけで・・・。

どういう試験制度が、専門資格に値する人々を選抜する方法としてふさわしいのか、答えを出すことはできないのだけれど、人生がある種の博打の繰り返しのようなものである以上、「何回でも挑戦できる代わりに、確率は限りなく低い」という博打のような理不尽な試験にも十分存在意義はある、と自分は思っている。

もちろん、その理不尽さに何度も泣かされた者としては、それを唯一の方式に戻す、ということにまでは、俄かには賛同しかねるところではあるのだけれど(苦笑)、もうしばらく併存させてみる価値はあるんじゃなかろうか、と思うところである。

*1:http://www.moj.go.jp/content/000098682.pdf参照。

*2:https://www.jlf.or.jp/jlsat/pdf/20120709_kekka.pdf

*3:昨年の受験者数を見た時点で遅かれ早かれ適性試験との間で逆転現象が起きるとは思っていたが、想像以上に早く、その時はきてしまったようだ。http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20110523/1306682905

*4:仮に受かったとしてもさらに次の試験を受けなければならない、という点において、“報われなさ”は旧試験の比ではないのは間違いないのだけれど・・・。

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