「計測不能」がなくなる日。

競馬の予想に必須、とまでは言えないが、ないと何となく落ち着かないのが、「調教タイム」という代物。

走らせるコースや騎乗者によって、全然タイムは変わってくるし、調教でしか走らない馬だとか、調教タイムは平凡だけど本番になると見違えるような走りをする馬もいるから、出走馬同士の比較には大して使えないデータなのだが、同じ馬を追い続ける過程で、状態を推し量る上では、一つの材料にはなるかなぁ・・・という感じのものである。

そんな調教タイムの計測センサーをJRAが一新した。

日本ユニシス日本中央競馬会JRA)から競走馬の調教タイムの計測センサーの刷新を受託し、このほど納品した。受託額は1億8千万円。センサーをバーコードからICタグに変更し、計測精度をほぼ100%に向上させた。従来は悪天候で計測しにくかった。」(日本経済新聞2012年8月15日付け朝刊・第11面)

昨年に比べれば徐々に復調を見せている、とはいえ、一時のブームは望むべくもないJRAにとって、1億円を上回る投資は、決して簡単なものではないはずで、それでも、

競馬ファンの満足度向上」(同上)

のために、22年ぶりにセンサーを刷新する、という渋い投資をするあたりは、なかなか心憎い。

これまで、調教日の天候が悪いと「計測不能」の連発になって、競馬紙のトラックマンの目測と、主観的な見立てだけで出走馬の好不調を推測しないといけなかったことを考えると、確かに熱心なファンの“満足度”も多少は上昇することだろう。

とはいえ、冒頭で書いたとおり、「調教タイム」なんて、元々ないよりはあった方が・・・というレベルの代物だし、予想をする上での前提とするファクターが多過ぎるとかえって予想が狂うこともある。

こんなセンサー(&そのメンテナンスコスト)にお金をかけるくらいなら、配当金のプレミアムをもう少し上乗せしてくれ・・・なんて声が聞こえてきても不思議ではないわけで。

いずれにせよ、これから本格化してくる秋競馬戦線に向けて、「調教タイム」の精度向上が、どの程度予想の精度向上(笑)につながるのか、機会があれば検証してみたいところである。