悲しき終戦。

シーズンの途中から、虎党的には明るい話題が何一つ出てこなくなった、ということもあり、どうでもよくなっていた今年のペナントレース

終盤に、金本知憲選手、城島健司選手が相次いで引退を発表する、という、ある意味明るいニュース*1があったものの、もういなくなる“兄貴”一色に染まった最終戦の様子などを見ていると、正直、来季はどうなるのだろう・・・という寂しい思いにも駆られてしまう。


最近ファンになった若者たちはもしかしたら知らないかもしれないのだが、「オールスターが明けて何試合か経ったころには、タイガースのペナントレースが事実上終わってしまう」というのは、かつてのファンなら誰しもが経験したことだ。

そして、8月中盤以降になると、新聞に掲載されているチームの勝敗表には一切目も向けず、チェックするのは、和田豊・現監督の日々の安打数&打撃ベストテンの順位(90年代)*2や、時々何かが乗り移ったような快投を見せる隠れた好投手たちの「完封数」*3、無為に使われる中継ぎ投手陣の登板回数*4、そして、なぜか一軍低迷期でも強かったウエスタン・リーグでの勝敗くらい。

あとは、代打で登場するかつての花形選手たちが時々ささやかな活躍をしたり*5、十把一かけらの外国人選手たちが帳尻合わせで結果を残しているのを見て*6、秋を感じてみたり。

そんなシーズンが20年近く続いていた。

もしかしたら、和田豊新監督は、「日本一」を主力選手時代に経験できた前監督、前々監督とのアイデンティティの違いを、ファンに知らしめるために、あえて今年、就任一年目に“暗黒時代”を再現してみせたのかもしれない(苦笑)。

打撃ベストテンに入る選手も、本塁打数上位に来る選手も、防御率ベストテンに入る選手もいない今年の成績を見たら、正直、かつての暗黒時代よりひどいんじゃないか・・・とも思いたくなるのだが、チーム順位的にはまだ「下には下がいる」のと、この何年かの「貯金」のおかげで、まだ「お荷物球団」になったと言われなくて済んでいるのだから儲けもの。

来年以降、世代交代を果たし、一気に優勝争いに絡むような“復活”を果たせるなら、和田監督が名将の系譜に名を残せる可能性だって、まだかろうじて残っている。

だが、こういう状況になってくると、一瞬の輝きの後、チームの状況が下降線になりかけたときに、さらに意味不明な「補強」をして、若い芽を摘み、チームをさらに荒廃させていった…という不幸な連鎖の歴史を思い出さずにはいられないわけで*7

わざわざGMポストまで設けて、チームの立て直しを図るのであれば、この10年の間にファンになった人々に、「なんでこんなチームのファンになっちゃったんだろう」と思わせないような、“理詰めの補強”を見せてほしいなぁ・・・と思うところである。

裏切られるのが嫌だから、期待はしないことにしておくけど。

*1:何といっても、推定6億円以上の年俸が補強に使えるようになる、というのは大きい(苦笑)。

*2:毎年、安打数で一、二を争い、ベスト10にもきっちり入ってきていた、と記憶している。他の上位選手と比べて、本塁打数とか打点数が異常に少なかったこともあって(一応クリーンナップ打ってた時期もあったのに・・・)、異彩を放っていた。

*3:湯舟投手、藪投手、川尻投手など・・・。勝ち星も少ないし、奪三振でも他球団の一流投手たちには及ばないのだが、完封の数だけは“白抜き”(部門首位を示す表示)になっていたりして、それがちょっとうれしかった(そういえば、黒星数も、か・・・)。あと、湯舟選手や川尻選手は、「規定投球回数に達したら防御率相当上位にくるな・・・」といった楽しみも持たせてくれることが多かったが、現実に達する前に故障してシーズンを棒に振るか、達したころには並みの数字に落ち込んでいたりすることが多くて、結局大きいタイトルとは無縁だったと思う。

*4:特に、90年代後半の弓長投手や、野村監督時代の伊藤敦、遠山、葛西といった投手たちは、勝っていても負けていても、ただひたすら投げ続けていた。彼らが投げて「失点0」が記録されていると、何となく嬉しかった。

*5:田尾、真弓、八木から、今の関本、桧山に至るまで「代打の神様」神話には事欠かない。

*6:シーズン途中で獲得した選手が、秋が近くなると帳尻合わせで働く、という光景が、特に2000年前後の暗黒期にはよく見られたものだ。ハートキーとかミラーとか・・・。

*7:今年は軒並み不振をかこったものの、今いる選手たちの実力が他球団に比べて劣るとは到底思えないので、「浮いた6億円」に飛びついて、メジャーで通用しなくなったロートル選手に手を出すくらいなら、現有戦力の底上げに力を入れたほうが、チームの未来は明るいと思う。でも、今年のストーブリーグでは、逆の方向に行きそうでかなり怖い。